差入保証金とは、契約の担保として相手に預けたお金を記録する資産の勘定科目です。オフィスや店舗を借りるときに貸主に預ける敷金・保証金は、借主の帳簿では差入保証金として記録されます。貸主の帳簿では、同じお金が預り保証金(負債)になります。
この記事では、差入保証金に入るもの、貸借対照表のどこに載るか、返ってこない部分の扱い、建設協力金との違い、2027年4月以後に始まる事業年度から適用される新しいリース会計基準での扱いを、財務諸表等規則と企業会計基準をもとに整理します。
差入保証金とは、契約の担保として相手に預けたお金を記録する資産の勘定科目です。オフィスや店舗を借りるときに貸主に預ける敷金・保証金は、借主の帳簿では差入保証金として記録されます。貸主の帳簿では、同じお金が預り保証金(負債)になります。
この記事では、差入保証金に入るもの、貸借対照表のどこに載るか、返ってこない部分の扱い、建設協力金との違い、2027年4月以後に始まる事業年度から適用される新しいリース会計基準での扱いを、財務諸表等規則と企業会計基準をもとに整理します。
差入保証金は、将来返ってくることを前提に、相手に預けたお金です。返してもらう権利があるので、費用ではなく資産として記録します。
| 預け先 | 例 |
|---|---|
| 建物の貸主 | オフィス・店舗・倉庫の敷金、保証金 |
| 建物の貸主(建設時) | 建物を建てるときに預ける建設協力金 |
| 取引先 | 継続的な取引の担保として預ける取引保証金 |
民法は、敷金を「いかなる名目によるかを問わず」、賃料などの債務を担保するために借主が貸主に交付するお金と定めています(第622条の2第1項)。契約書で「保証金」と呼んでいても、中身が同じなら敷金として扱われます。敷金と保証金の違いは「店舗の敷金・保証金とは」で説明しています。
財務諸表等規則は、1年以内に現金化できると認められる資産を流動資産とし(第15条第12号)、流動資産や有形固定資産などに入らない長期の資産を「投資その他の資産」としています(第31条第7号)。
| 状態 | 区分 | 根拠 |
|---|---|---|
| 入居を続けていて、返ってくるのは先 | 投資その他の資産(固定資産) | 財務諸表等規則第31条第7号 |
| 1年以内に退去し、返ってくる見込み | 流動資産 | 財務諸表等規則第15条第12号 |
| 契約上、返ってこないことが決まっている部分 | 差入保証金には含めない | 次の節 |
入居を続けるオフィスの敷金は、返ってくるのが1年より先なので、投資その他の資産に入ります。解約を予告して1年以内に返ってくる見込みになったら、流動資産に移すかを確かめます。

契約で「退去時に敷金の2か月分を償却する」などと決まっている場合、その部分は返ってきません。返ってこない部分は差入保証金とは分けて記録します。
返ってこない部分は、契約期間などにわたって費用にしていきます。新しいリース会計基準が適用される2027年4月1日以後に始まる事業年度からは、返ってこないことが契約で決まっている金額を、使用権資産の取得価額に含めます(企業会計基準適用指針第33号第34項、企業会計基準第34号第58項)。
税務では、資産を賃借するために支出する権利金その他の費用として、繰延資産にあたります(法人税法施行令第14条第1項第6号ロ)。仕訳と償却期間は「敷金の会計処理」で詳しく整理しています。
建設協力金は、貸主が建物を建てるときに、入居予定の会社が預けるお金です。敷金との大きな違いは、返し方と、帳簿への載せ方です。
| 項目 | 敷金 | 建設協力金 |
|---|---|---|
| 返ってくる時期 | 退去して物件を返したあと | 契約で決めた期間にわたって分割など |
| 帳簿に載せる額(新基準) | 取得原価(預けた額) | 返済までのキャッシュ・フローを割り引いた現在価値 |
| 根拠 | 適用指針第33号第33項 | 適用指針第33号第29項 |
新しいリース会計基準の適用指針は、将来返ってくる敷金は取得原価で計上するとしています(第33項)。建設協力金などは、返済期日までのキャッシュ・フローを割り引いた現在価値で計上し、預けた額との差額は使用権資産に含めます(第29項)。建設協力金の仕組みは「建設協力金とは」で説明しています。

オフィスや店舗を借りて内装工事をすると、退去時に内装を撤去して元に戻す義務(原状回復の義務)を負うことがあります。企業会計基準では、この義務を資産除去債務として負債に計上するのが原則です。
ただし、敷金が資産に計上されている場合は、その金額に関連する部分について、資産除去債務を負債に計上する代わりに、敷金のうち回収が最終的に見込めないと認められる金額を合理的に見積り、その期の負担分を費用にする方法も認められています(企業会計基準適用指針第21号第9項)。詳しくは「資産除去債務とは」で整理しています。
差入保証金は、相手に預けたお金なので、相手が倒産すると全額は返ってこないことがあります。オフィスの貸主が変わったときや倒産したときの敷金の扱いは「オーナーが倒産・ビル売却したら敷金はどうなる?」で説明しています。貸主側の帳簿(預り保証金)は「預り保証金・預り敷金の勘定科目」で整理しています。
差入保証金は、返ってくるまで使えないお金です。オフィスの敷金は賃料の数か月分から1年分にのぼることもあり、入居しているあいだ、その額が貸主の手元にあります。
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敷金は、賃貸借で借主が貸主に預けるお金です。差入保証金は、敷金を含め、契約の担保として相手に預けたお金を記録する勘定科目の名前です。敷金だけを「敷金」という科目で記録する会社もあります。
しません。返ってくるお金なので、預けた額のまま資産に載せます。ただし、契約上返ってこない部分は差入保証金と分けて、期間にわたって費用にします。
返ってくる部分と、返ってこない部分で扱いが分かれます。国税庁の通達にもとづく扱いを「敷金の会計処理」の消費税の節で説明しています。
出典:財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第15条・第31条、民法第622条の2、企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」第29項・第33項・第34項、法人税法施行令第14条、企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」第58項、企業会計基準適用指針第21号「資産除去債務に関する会計基準の適用指針」第9項。
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