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店舗経営のコスト削減|原価・人件費・家賃の割合の見方、FLコストの目安、費目別の見直し方と進める順番

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店舗経営のコスト削減|原価・人件費・家賃の割合の見方、FLコストの目安、費目別の見直し方と進める順番

中小企業の法人の決算を業種ごとに合計すると、売上高に対する営業利益の割合は、小売業で1.7%、飲食店で2.0%、洗濯・理容・美容・浴場業で2.3%です(経済産業省「中小企業実態基本調査」令和6年度決算実績)。店舗を構える業種では、売上の2%前後しか利益が残りません。売上の約98%が費用に使われているため、費用を売上の1%分減らすと、営業利益は1.4〜1.6倍になります。

どの費用から手をつけるかは、業種で決まります。小売業は売上の約3分の2が仕入なので、値引きと売れ残りの処分から。飲食店は材料費と人件費がそれぞれ約3割なので、棚卸で出した原価率と、時間帯ごとの人時売上高から。理容・美容は人件費が売上の4〜5割(日本政策金融公庫の調査の平均)なので、従業者1人当たりと椅子1台当たりの売上高から見直します。自店の割合と比べる相手の割合の差に月商を掛けると、どの費目に月いくらの見直しの余地があるかがわかります。見落とされやすいのが、店舗を借りるときに預ける保証金です。費用ではないため削減の一覧には出てきませんが、月商500万円の飲食店の例では、預けた保証金500万円が営業利益の約48か月分にあたります。

店舗の売上は、何にいくら使われているか

中小企業実態基本調査は、中小企業の売上高と費用を業種ごとに集計した国の統計です(e-Stat で2026年6月29日に公開)。法人の決算を業種ごとに合計し、売上高に対する割合を出すと、次のとおりでした。小売業の行は、無店舗小売業(通信販売など)を含む小売業全体の値で、「うち」の2行はその内訳です。

業種仕入・材料人件費地代家賃営業利益
小売業66.3%12.7%1.9%1.7%
うち織物・衣服・身の回り品小売業50.3%15.8%5.4%1.6%
うち飲食料品小売業67.9%12.0%1.4%1.4%
飲食店32.2%29.6%5.7%2.0%
洗濯・理容・美容・浴場業16.2%35.7%5.9%2.3%

企業数は、小売業238,470社(うち織物・衣服・身の回り品小売業21,053社、飲食料品小売業54,453社)、飲食店73,359社、洗濯・理容・美容・浴場業35,031社で、標本から全体を推計した値です。仕入・材料は売上原価のうち商品仕入原価・材料費、人件費は売上原価の労務費と販売費及び一般管理費の人件費の合計、地代家賃は売上原価と販売費及び一般管理費に計上された地代家賃の合計です。

表に出ていない残り(飲食店で売上の30.4%、洗濯・理容・美容・浴場業で39.9%)には、広告宣伝費、減価償却費、外注費、租税公課のほか、水道光熱費、消耗品費、支払手数料などが入ります。この調査は水道光熱費や支払手数料を個別には集計していません。個別にわかる費目では、広告宣伝費が飲食店で1.2%、洗濯・理容・美容・浴場業で2.0%、減価償却費が飲食店で2.5%、洗濯・理容・美容・浴場業で3.1%、売上原価の外注費が洗濯・理容・美容・浴場業で4.1%でした。残りの割合は端数を丸める前の値から出しているため、表の数字から引き算した値と0.1ポイント違うことがあります。

業種別の売上の使い道(中小企業実態基本調査 令和6年度決算実績・法人)。小売業は仕入・材料66.3%、人件費12.7%、地代家賃1.9%、その他の費用17.4%、営業利益1.7%。織物・衣服・身の回り品小売業は仕入・材料50.3%、人件費15.8%、地代家賃5.4%、その他の費用26.9%。飲食料品小売業は仕入・材料67.9%、人件費12.0%、その他の費用17.2%。飲食店は仕入・材料32.2%、人件費29.6%、地代家賃5.7%、その他の費用30.4%、営業利益2.0%。洗濯・理容・美容・浴場業は仕入・材料16.2%、人件費35.7%、地代家賃5.9%、その他の費用39.9%、営業利益2.3%。その他の費用には広告宣伝費を含む

同じ小売でも、織物・衣服・身の回り品小売業は仕入の割合が50.3%と小さい一方で、地代家賃が5.4%、広告宣伝費が3.7%と、小売業全体(1.9%、1.2%)より高くなっています。表の中では飲食料品小売業の仕入が67.9%と最も大きく、地代家賃は1.4%、広告宣伝費は0.4%にとどまります。飲食店は材料費と人件費を合わせて売上の約62%で、この2つを一緒に管理するのが、後で説明するFLコストの考え方です。

数字を読むときは、次の2点に注意します。

  • 業種ごとに法人の決算を合計してから割った値で、1社ずつの比率の平均ではない。売上の大きい企業ほど結果に強く効く
  • 自社の建物で営業する企業も含むため、店を借りている会社だけで見ると、地代家賃の割合はもっと高くなる

費用の1%が、営業利益にどれだけ効くか

営業利益率が低いほど、費用の削減は利益に大きく効きます。上の表の営業利益率をもとに、費用を売上高の1%分だけ減らした場合を計算すると、次のとおりです。

業種営業利益率1%減らした後営業利益の増え方同じ利益に要る売上の増加
小売業1.7%2.7%約1.6倍約3.0%
飲食店2.0%3.0%約1.5倍約1.5%
洗濯・理容・美容・浴場業2.3%3.3%約1.4倍約1.2%

右端の列は、売上が増えたときに増える費用を仕入・材料だけとした場合の計算です(売上の増加 ×(1 − 仕入・材料の割合)= 売上の1%)。小売業は仕入の割合が大きいため、売上を約3%増やして、ようやく費用を1%減らしたのと同じ利益になります。人件費や光熱費も売上とともに増えるなら、必要な売上の増加はさらに大きくなります。

例の店で、損益分岐点の売上を計算する

損益分岐点の売上は、固定費 ÷(1 − 変動費の割合)で求めます。固定費は売上が増減しても変わらない費用、変動費は売上に比例して増える費用です。ここからは、月商500万円の飲食店を例にします。原価率35.0%と人件費率32.9%は、後で示す日本政策金融公庫の調査の一般飲食店の全社の平均で、家賃は売上の10%と置きました(計算のための例)。

項目1か月売上に対する割合
売上500.0万円100%
材料費(原価)175.0万円35.0%
人件費164.5万円32.9%
家賃50.0万円10.0%
その他の経費100.0万円20.0%
営業利益10.5万円2.1%

人件費は、シフトを組んだ後は売上の増減で大きく変わらないため、この例では固定費に入れ、変動費は材料費だけとします。固定費は、人件費・家賃・その他の経費の合計314.5万円です。

見直し固定費変動費の割合損益分岐点の売上
見直す前314.5万円35.0%約483.8万円
固定費を月10万円減らす304.5万円35.0%約468.5万円
原価率を32.2%に下げる314.5万円32.2%約463.9万円

固定費を月10万円減らすと、損益分岐点の売上は約15万円下がります。原価率を2.8ポイント下げた場合は、約20万円下がります。損益分岐点が下がるほど、売上が落ちた月でも赤字になりにくくなります。

飲食店のFLコストは、何%が目安か

飲食店では、材料費(Food)と人件費(Labor)の合計を「FLコスト」、売上に対する割合を「FL比率」と呼びます。飲食業界では「FL比率は60%以下」を目安とする説明がよく見られます。実際の決算の数字を業態ごとの平均で見ると、60%を下回るのは一部の業態だけです。

日本政策金融公庫の「小企業の経営指標調査」(2025年度調査、2026年8月公表)は、公庫(国民生活事業)が融資した、従業者50人未満の法人の決算を業種ごとに集計したものです。従業者には、代表者と常勤の役員、3か月以上続けて雇っているパート・アルバイトを含みます。平均は1社ずつの比率の平均で、税引前当期純利益と自己資本がともにプラスの企業(以下、黒字の企業)だけの平均も載っています。全社の平均と黒字の企業の平均を並べると、次のとおりでした(矢印の左が全社の平均、右が黒字の企業の平均)。

業態(社数/うち黒字の企業)原価率人件費率FL比率
一般飲食店(464/166)35.0% → 32.2%32.9% → 31.5%67.9% → 63.7%
中華料理店(109/47)35.0% → 34.5%33.6% → 32.5%68.6% → 67.0%
西洋料理店(66/23)34.0% → 31.3%32.2% → 32.3%66.2% → 63.6%
日本料理店(74/18)38.0% → 37.8%31.5% → 29.3%69.5% → 67.1%
酒場,ビヤホール(212/74)32.2% → 30.6%32.2% → 30.0%64.4% → 60.6%
喫茶店(35/20)28.1% → 24.6%29.8% → 30.9%57.9% → 55.5%

一般飲食店は、食堂,レストラン(日本料理店・西洋料理店・中華料理店など)や喫茶店などを含む区分で、表の中華料理店・西洋料理店・日本料理店・喫茶店はその内訳です。酒場,ビヤホールは、遊興飲食店の内訳です。原価率は、100%から売上高総利益率を引いた値で、材料費のほか、売上原価に入れている費用を含むことがあります。人件費率は、販売費及び一般管理費の人件費と売上原価の労務費を合わせた割合で、役員報酬なども含みます。売上原価に労務費を入れている企業では、その分が両方に入るため、FL比率は2つの平均を足した目安として見ます。

業態別の原価率と人件費率の平均(日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」2025年度)。全社の平均と、黒字かつ自己資本がプラスの企業の平均を並べると、一般飲食店は67.9%と63.7%、中華料理店は68.6%と67.0%、西洋料理店は66.2%と63.6%、日本料理店は69.5%と67.1%、酒場,ビヤホールは64.4%と60.6%、喫茶店は57.9%と55.5%

表の6つの業態では、どれも黒字の企業のFL比率が全社の平均より低くなっています。ただし、差がどちらに大きく出るかは業態で違います。一般飲食店・西洋料理店・喫茶店では原価率の差のほうが大きく、中華料理店・日本料理店・酒場,ビヤホールでは人件費率の差のほうが大きくなっています。西洋料理店の人件費率は全社と黒字の企業でほぼ同じで、喫茶店は黒字の企業のほうが高めです。原価率の差は、仕入や仕込みの管理だけでなく、売価の決め方でも生まれます。同じ調査のバー,キャバレー,ナイトクラブ(73社)のように、黒字の企業のFL比率のほうが高い業態もあります。

「60%以下」と比べると、黒字の企業の平均で60%を下回ったのは、表の6業態では喫茶店(55.5%)だけでした。酒場,ビヤホールは60.6%、一般飲食店は63.7%です。

家賃(Rent)を足した「FLR比率」で見ることもあります。中小企業実態基本調査の法人の飲食店の合計では、材料費32.2%、人件費29.6%、地代家賃5.7%で、FL比率は61.8%、FLR比率は67.5%でした。公庫の平均より低く出るのは、主に費目の数え方の違いです。公庫の原価率は売上原価全体なので、同じ数え方で中小企業実態基本調査の飲食店を見ると、売上原価36.6%と人件費29.6%を足して約66%になり、公庫の平均(67.9%)に近づきます。公庫の数字と自店を比べるときは、原価は売上原価全体、人件費は役員報酬も含めて出します。

公庫の調査で、一般飲食店の売上高営業利益率は、全社の平均が−2.2%、黒字の企業の平均が4.3%、全社の中央値が−0.4%でした。中小企業実態基本調査の飲食店の2.0%と符号まで違うのは、集計の対象・時期・方法が違うためです(公庫の融資先の小さな法人の1社ずつの平均か、中小企業全体の合計か)。損益分岐点比率(損益分岐点の売上高が実際の売上高の何%か)の中央値は101.3%で、中央にあたる店は、売上が損益分岐点にわずかに届いていません。

例の店で、FL比率の差を金額にする

例の店(原価率35.0%、人件費率32.9%)が、一般飲食店の黒字の企業の平均(原価率32.2%、人件費率31.5%)になった場合を計算します。人件費は、時給を変えずに、売上の少ない時間帯の勤務時間を減らして下げる想定です。

費目いまの店黒字の企業の平均の場合差(1か月)
材料費(原価)175.0万円161.0万円14.0万円
人件費164.5万円157.5万円7.0万円
合計(FLコスト)339.5万円318.5万円21.0万円

1か月で21.0万円、1年で252万円の差です。売上を増やして同じだけ営業利益を増やすなら、増える費用を材料費だけとしても、売上を約32万円(月商の6.5%)増やす必要があります(21.0万円 ÷(1 − 0.35))。

人件費率は、人件費を減らさなくても、売上が増えれば下がります。人件費164.5万円のまま人件費率を31.5%にするには、売上を約522万円(4.4%増)にする必要があります。人件費の見直しは、勤務時間を減らす方向と、同じ人数で売上を増やす方向の両方から考えます。

仕入と材料の原価を見直す

業種の合計で見ると、小売業でも飲食店でも、最も大きい費目は仕入と材料です。見直しは、数字の取り方から始めます。

原価率は棚卸をして月ごとに出す

原価率は、その月に使った分の仕入・材料を売上で割って出します。

  • その月の原価 = 月初の在庫 + その月の仕入 − 月末の在庫
  • 原価率 = その月の原価 ÷ その月の売上

月末の在庫を数えずに仕入額だけで割ると、仕入の多かった月は原価率が高く、少なかった月は低く出て、変化の理由が読めなくなります。飲食店では、レシピから計算した「理論の原価率」と、棚卸から出した「実際の原価率」の差が、廃棄、仕込み過ぎ、盛り付けのばらつきなどのロスの大きさです。

値入率と実際の粗利率の差(小売店)

小売店では、仕入れたときに見込んだ利益(値入)と、売り切った後に実際に残った利益(粗利)が一致しません。値引き、売れ残りの処分、破損、棚卸で見つかる差が、その間で利益を削るからです。

たとえば、原価700円の商品を売価1,000円で100個仕入れた(値入率30%)とします。80個を定価で売り、残り20個を2割引の800円で売り切ると、売上は96,000円(80,000円+16,000円)、粗利は26,000円で、実際の粗利率は27.1%です。見込みの30%との差の2.9ポイントは、値引きで失った分です。値引きや処分の額を商品ごと・月ごとに記録し、発注量と売り場の位置のどちらが原因かを見ます。値引きを始める時期と幅を商品ごとに決めておくと、担当者によるばらつきも減らせます。

粗利の額と販売数で商品を並べ直す

原価率の高い商品を外せば利益が増えるとは限りません。原価率が高くても、粗利の額(売価 − 原価)が大きく、よく売れる商品は、店の利益の柱です。商品ごとに「粗利の額 × 販売数」で並べ、上位の商品は品切れや品質の低下を防ぎ、下位の商品は売価・量・仕入先を見直すか、外すかを決めます。

仕入先と発注の単位を見直す

  • 同じ品目を複数の仕入先から買っていないか、単価と最低発注量・配送料を一覧にして比べる
  • 配送の回数を減らして1回の量をまとめると、配送料が下がる場合がある(在庫と鮮度の負担とあわせて判断する)
  • 値上げの通知を受けたら、代わりの品目・規格、発注量、支払の条件まで含めて相談する

仕入の値上がりを、どこまで売価に反映するか

仕入の値上がりを売価に反映しないままだと、原価率が上がり、粗利の額が減ります。どこまで上げるかは、守りたいのが粗利の額か、原価率かで変わります。売価1,000円、原価350円(原価率35%)の品目で、原価が10%上がって385円になった場合を計算します。

売価の決め方売価粗利の額原価率
売価を据え置く1,000円615円38.5%
粗利の額(650円)を保つ1,035円650円37.2%
原価率を35%に戻す1,100円715円35.0%

粗利の額を保つだけなら、値上げは3.5%で足ります。原価率を元の35%に戻そうとすると、10%の値上げが必要です。値上げで客数が減るおそれがある品目は、粗利の額を保つ水準を下限に考え、量や付け合わせ、仕様の見直しと組み合わせます。全品目を一律に上げるより、粗利の額の小さい品目から順に見直すほうが、客数への影響を見ながら進められます。

人件費は時間帯ごとの人時売上高で見る

公庫の調査の人件費は、役員報酬、退職金、福利厚生費を含めた額です。自店の数字と比べるときも、同じ範囲で人件費を集めます。

令和8年度の地域別最低賃金は、各地の審議会が答申した改定額が全国加重平均で1,177円(前年度から56円の引上げ)です。発効日(予定)は都道府県ごとに2026年10月1日から12月2日までで、東京都1,280円、神奈川県1,279円、大阪府1,231円、愛知県1,195円などは10月1日です(厚生労働省)。東京都は前年度から54円の引上げで、最低賃金で働く人の勤務が合わせて月800時間の店なら、その時給を上げるだけで、人件費が月4.3万円(年約52万円)増えます。

最低賃金を下回る時給にはできないため、時給の水準ではなく、働く時間の使い方と、1人が生む売上で人件費を見ます。物差しにするのは「人時売上高」です。売上を、従業員が働いた時間の合計(社員・パート・アルバイトのほか、店に出た役員も含む)で割って出します。

例の店で、働いた時間の合計が月1,250時間なら、人時売上高は4,000円、1時間当たりの人件費は1,316円(164.5万円 ÷ 1,250時間)です。人件費率を黒字の企業の平均の31.5%にするには、人時売上高を約4,180円(1,316円 ÷ 31.5%)に上げるか、売上を変えずに働く時間を月約53時間(7.0万円 ÷ 1,316円)減らす必要があります。月25日営業なら、1日約2時間です。1,316円は役員報酬なども含めた1時間当たりの人件費なので、減らすのが主にパート・アルバイトの時間なら、その時給で割ります(時給1,280円なら約55時間)。

  • 1日を時間帯で区切り、時間帯ごとの売上と働いた時間から人時売上高を出し、低い時間帯からシフトの人数を見直す
  • 仕込み、清掃、発注、締め作業を、客の少ない時間に寄せる
  • 注文と会計の作業を減らす。券売機、セルフオーダー、セルフレジ、キャッシュレス決済は、接客の時間を空ける
  • 新しく入った人が一人前になるまでの時間を短くする。作業の手順書と写真を用意する

券売機やセルフオーダーなどの機器には、国の補助金と助成金が使えます。厚生労働省の「業務改善助成金」は、中小企業・小規模事業者で、事業場内で最も低い賃金が令和8年度の地域別最低賃金を下回っている事業者が、その賃金を50円以上引き上げ、あわせて生産性を上げる設備を入れると、費用の一部が助成される制度です。令和8年度の申請期間は、都道府県の地域別最低賃金の発効日の前日か、11月30日の早いほうまでで、発効日(予定)が10月1日の東京都・神奈川県・大阪府・愛知県などは9月30日で締め切られています。カタログに登録された省力化の機器を入れるときの「中小企業省力化投資補助金」(カタログ注文型)は、受付が2027年3月末ごろまで延長されています。飲食店で使える制度と締め切りは「飲食店が使える補助金・助成金」でまとめています。

3つの業態の、1人当たりの売上高と人件費

公庫の調査で、社数の多い3つの業態について、従業者1人当たりの売上高と人件費を、全社の平均と黒字の企業の平均で並べます(矢印の左が全社の平均、右が黒字の企業の平均)。

業態(社数)1人当たり売上高1人当たり人件費人件費率
一般飲食店(464)805万円 → 892万円244万円 → 268万円32.9% → 31.5%
酒場,ビヤホール(212)793万円 → 958万円234万円 → 268万円32.2% → 30.0%
美容業(555)1,113万円 → 1,318万円360万円 → 382万円41.9% → 38.4%

この3つの業態では、黒字の企業は、1人当たりの売上高も人件費も全社の平均より高くなっています。黒字の企業の人件費率の低さは、1人当たりの人件費の低さでは説明できません。ここでの人件費は役員報酬を含み、従業者はパート・アルバイトも1人と数えた値なので、給与の水準そのものとは違います。また、人件費率は1社ずつの比率の平均で、表の1人当たり人件費を1人当たり売上高で割った値とは一致しません。

業態によって傾向は違います。喫茶店では、黒字の企業の1人当たり売上高(734万円)が全社の平均(833万円)を下回り、社数の少ない理容業(39社、うち黒字の企業10社)では、黒字の企業の1人当たり人件費(285万円)が全社の平均(322万円)より低くなっています。

理容・美容は、1人当たりと椅子1台当たりの売上高で見る

理容・美容の店は、売上に対する人件費の割合が飲食店より高く、公庫の調査では美容業で平均41.9%(中央値43.8%)、理容業で平均49.8%(中央値50.8%)でした。人件費の割合を下げるには、1人が生む売上と、設備(椅子)が生む売上を見ます。

指標(公庫の調査)美容業(555社)理容業(39社)
従業者1人当たり売上高(平均・中央値)1,113万円・805万円716万円・584万円
椅子1台当たり売上高(平均・中央値)788万円・657万円654万円・592万円
椅子1台当たり売上高(黒字の企業の平均)903万円865万円

平均は一部の大きな店に引っ張られるため、自店と比べるときは中央値と並べます。たとえば椅子4台の美容室なら、美容業の椅子1台当たり売上高の中央値(657万円)で年約2,628万円、月約219万円の売上になり、人件費の割合が中央値の43.8%なら、人件費は月約96万円です。椅子1台当たりの売上が中央値に届かない店は、予約の空き時間、施術1回にかかる時間、指名や物販の売上のどれが足りないかを、月ごとに並べて見ます。美容室の開業時の資金と公庫の数字は「美容室の開業資金」でも説明しています。

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家賃の割合の出し方と、払える上限

家賃の割合は、月の家賃(共益費を含む)を月の売上で割って出します。売上と家賃で消費税の扱いをそろえ、季節で売上が動く店は12か月の平均で見ます。統計では、地代家賃の割合は飲食店で5.7%、織物・衣服・身の回り品小売業で5.4%、洗濯・理容・美容・浴場業で5.9%でしたが、自社の建物で営業する企業も含んだ値です。

自店で払える家賃の上限は、「1 − 原価率 − 人件費率 − その他の経費の割合 − 残したい営業利益の割合」で出します。例の店(原価率35.0%、人件費率32.9%、その他の経費20.0%)で営業利益を売上の3%残すなら、家賃に回せるのは売上の9.1%、月45.5万円です。いまの家賃50万円(10.0%)は、上限を月4.5万円上回っています。1坪当たりの売上から逆算した家賃の目安は「飲食店の家賃比率」で説明しています。

賃料の減額と、定期借家の例外

借地借家法第32条第1項は、建物の賃料が、土地や建物にかかる税金などの負担の増減、土地や建物の価格の上昇や低下その他の経済事情の変動、近くの同じような建物の賃料との比較によって不相当になったときは、契約の条件にかかわらず、将来に向かって賃料の増減を請求できると定めています。ただし、一定の期間賃料を増額しない特約がある場合は、その特約に従います。

話し合いがまとまらないときは、裁判の前に、まず調停を申し立てる必要があります(民事調停法第24条の2)。減額の協議がまとまらないあいだは、減額を正当とする裁判が確定するまで、貸主は相当と考える額の賃料を請求でき、裁判で確定した賃料より多く受け取っていた分は、年1割の利息を付けて借主に返します(借地借家法第32条第3項)。

注意が必要なのは、定期借家契約(同法第38条の定期建物賃貸借)です。賃料の改定について特約がある定期借家契約では、第32条そのものが適用されません(第38条第9項)。商業施設や駅ビルの区画は、定期借家契約で借りることもあるため、まず契約書で、契約の種類と賃料の改定の定めを見ます。

普通借家契約なら、話を持ちかける時期は契約の更新の前が中心です。近くの同じような物件の募集賃料を集め、自店の売上と家賃の割合を示して相談します。定期借家契約は期間の満了で終わるため、再契約の条件を話し合うときが見直しの機会になります。賃料の値上げを求められた場合の対応は「オフィス・店舗の賃料値上げは拒否できる?」で説明しています。

預けた保証金は、営業利益の何か月分か

店舗を借りるときに預ける保証金(敷金)は、損益計算書には出てきませんが、退去するまで使えない現金です。保証会社の株式会社日商保(以下、日商保)が運営するオフィス検索サイト「Growth Office」で、東京都で募集中の区画のうち用途に店舗を含み、保証金の月数がわかる28区画(2026年10月1日時点)を集計したところ、月数の中央値は11か月分で、半数が10〜12か月分でした。区画が少ないため参考値です(詳しくは「敷金と保証金の違い|店舗の保証金の相場・償却・返還」)。

例の店(家賃50万円)が、家賃の10か月分の保証金500万円を預けているとします。例の店の営業利益は月10.5万円なので、保証金は営業利益の約48か月分です。一般飲食店の黒字の企業の平均(営業利益率4.3%)で計算しても、月21.5万円に対して約23か月分にあたります。

店舗の保証金は、営業利益の何か月分か。月商500万円、家賃50万円、保証金は家賃の10か月分の500万円、営業利益率4.3%とすると、1か月の営業利益21.5万円に対して、保証金は約23か月分にあたる

保証金は会計上、差入保証金などの資産で、預けている間は費用になりません。返らない分(償却)は、返らないと決まった時点で費用の扱いに移ります。退去時に差し引く定めなら解約が決まった事業年度に、契約から一定の期間が過ぎた時点で償却する定めなら、その時点で長期前払費用などに振り替え、償却期間にわたって費用にします(「敷金の会計処理」)。

この保証金を減らしたり、資金に変えたりする方法は、次の4つです。

  • 新しく店を出すときは、保証金の月数を同じ地域・同じ広さの物件で比べ、契約の前に月数を話し合う
  • これから借りる店舗は、保証金の一部または全部を保証会社の保証に置き換える。保証会社の日商保の「敷金半額くん」なら、預ける保証金が半額から最大0円になり、同じ条件で新しく借りるなら、500万円のうち250万〜500万円が手元に残る
  • 営業中の店舗は、日商保の「敷金返還くん」で、預けている保証金の半額から最大全額を、営業を続けたまま返してもらう。例の店なら250万〜500万円が戻る
  • 契約の更新や条件の見直しの時期に、保証金の額と返還の条件も話し合う

どちらのサービスも、日商保の審査と貸主の承諾が必要で、保証料がかかります。仕組みと判断のしかたは、後の「預けている保証金を、事業の資金にする」で説明します。

光熱費・決済手数料・保険など、契約で決まる費用

最初の表に出ていない費用は、飲食店で売上の約30%、洗濯・理容・美容・浴場業で約40%あり、水道光熱費や決済の手数料、保険料はここに入っています。1件ずつの額は小さくても、率で決まる費用は売上とともに増えます。たとえば決済の手数料の率が1ポイント違うと、キャッシュレスの売上が月300万円の店では月3万円、年36万円の差です。請求書と契約書を1件ずつ見ることから始めます。

電気・ガス・水道

  • 電気の請求書で、契約の種類と契約電力(または契約容量)、基本料金と使った量に応じた料金の内訳を見る。厨房機器や空調を入れ替えた後も、契約電力が以前のままになっていることがある
  • ガスは、厨房の機器ごとの使い方と、契約している料金のメニューを照らし合わせる
  • 水道は、検針の値を月ごとに並べ、営業日数や客数に比べて急に増えた月があれば、漏水や設備の不具合を疑う
  • 冷蔵・冷凍の設備は、扉の開け閉め、霜取り、フィルターの清掃で使う電気の量が変わる

決済・予約・デリバリーの手数料と、通信・システム

  • キャッシュレス決済、予約サイト、デリバリーのサービスは、売上に対する手数料の率と月額の料金を一覧にし、サービスごとの売上と並べる。売上につながっていない契約は、解約の時期と違約金を調べて解約する
  • 電話・インターネット・POSレジ・予約システムで、同じ機能に重ねて払っていないかを見る
  • リース契約は、満了の前に、再リースか買い取りか解約かを決める

保険と、清掃・保守の外注

  • 店舗の火災保険・賠償責任保険は、補償の内容が重なっていないかを見る。賃貸借契約で加入を求められている保険は、契約の条件を確かめてから見直す
  • 清掃、害虫駆除、厨房機器の点検の外注は、回数と範囲を契約書で確かめ、相見積もりをとる

会社全体の経費の見直し方は「経費削減のアイデア」で、費目ごとに説明しています。

見直しを進める順番

見直す費目の順番は、「(自店の割合 − 比べる相手の割合)× 月商」で出した、月の見直しの余地の大きい順に決めます。比べる相手は、統計の平均や黒字の企業の平均、家賃なら上で出した上限です。例の店なら、原価が月14.0万円((35.0% − 32.2%) × 500万円)、人件費が月7.0万円((32.9% − 31.5%) × 500万円)、家賃が月4.5万円((10.0% − 9.1%) × 500万円)で、原価、人件費、家賃の順になります。家賃の余地は、原価率と人件費率が今のままの場合の値で、原価と人件費を下げれば、払える家賃の上限は上がります。

  1. 毎月、費目ごとに売上に対する割合を出す。仕入・材料、人件費、家賃、水道光熱費、手数料、その他に分け、3か月分を並べる
  2. 比べる相手の割合を決める。一般飲食店なら原価率35.0%・人件費率32.9%(全社の平均)と32.2%・31.5%(黒字の企業の平均)、美容業なら人件費率41.9%と38.4%
  3. 費目ごとに見直しの余地を金額で出し、大きい順に手をつける
  4. 契約で決まる費用(家賃、リース、保険、決済手数料)は、更新や解約の時期を一覧にし、その前に相談する
  5. 売上を生む費用(接客の人、効果の出ている広告)は、削る前に、その費用でどれだけ売上が出ているかを確かめる。広告なら、媒体ごとの費用を、その媒体から来た客の売上で割る

費目ごとに、毎月見る数字と、見る書類、見直す時期を一覧にしておくと、担当者が変わっても続けられます。

費目毎月見る数字見る書類見直す時期
仕入・材料原価率(棚卸の後)、値引き・廃棄の額仕入先の請求書、棚卸表毎月
人件費人件費率、時間帯ごとの人時売上高勤怠の記録、シフト表毎月
家賃売上に対する家賃の割合、払える上限との差賃貸借契約書(契約の種類、期間、更新、賃料の改定)契約の更新・再契約の前
水道光熱費使用量、契約電力請求書の内訳季節が変わるとき
決済・予約などの手数料売上に対する手数料の率各サービスの利用明細四半期ごと
リース・保険・保守月額、満了日契約書、保険証券満了・更新の前

複数の店を経営する会社は、店ごとの損益で比べる

店が2つ以上になると、会社全体の決算書だけでは、どの店のどの費用が重いのかが見えなくなります。店ごとに損益を出し、同じ物差しで並べます。

  • 店ごとに、売上、原価率、人件費率、家賃の割合、店の利益(本部の費用を配る前)を毎月出す
  • 本部の費用(本部の人件費、システム、広告など)は、店の利益とは分けて見る。配る場合は、売上の割合など決めた基準で配り、基準を毎月変えない
  • 原価率や人件費率が他の店より高い店は、仕入先、仕込みの量、シフトの組み方の違いを、成績のよい店と比べる
  • 家賃の割合が払える上限を超える店は、売上を伸ばせる余地と、契約の更新・解約の時期を並べて判断する
  • 店ごとの保証金の額、償却の定め、返還の時期を一覧にする。保証金の合計は店の数だけ増え、10店が500万円ずつ預けていれば5,000万円になる。日商保の敷金返還くんで半額が戻れば、2,500万円を新しい店の出店や改装に回せる

店を閉じるかどうかを決めるときは、営業を続けた場合の損益と、閉じる場合に出ていくお金・戻るお金を並べます。閉じる場合は、解約の予告期間中の家賃、原状回復の費用、保証金の償却分が出ていき、保証金の残りが戻ります。内装や設備は、帳簿に残っている額ではなく、次の借主や買い手に引き継いで受け取れる額で見ます。

造作を次の借主に引き継げれば、原状回復の費用が減ることもありますが、貸主の承諾が必要です。借地借家法第33条には、貸主の同意を得て付けた造作を、賃貸借が期間の満了または解約の申入れによって終わるときに、時価で買い取るよう貸主に請求できる定めがありますが、特約で外せる規定のため(同法第37条)、契約書で確かめます。保証金は明け渡した後に返ってくるため、閉店を決めてから現金が戻るまでには時間がかかります。

預けている保証金を、事業の資金にする

保証会社の株式会社日商保は、事業用の物件の敷金・保証金を、日商保の保証に置き換えるサービスを提供しています。店舗に使えるのは、次の2つです。

サービス対象の店舗変わること
敷金半額くんこれから借りる店舗預ける保証金が、半額から最大0円になる
敷金返還くんいま営業している店舗預けている保証金の半額から最大全額が、営業を続けたまま返ってくる

仕組みはどちらも同じで、減らしたり返したりする保証金の代わりに、日商保が貸主に保証を提供します。借入れではないため、返済や利息はありません。利用には日商保の審査と貸主の承諾が必要で、貸主への説明と承諾の取り付けは日商保が行います。日商保の公表では、敷金半額くんは創業期の企業から上場企業まで3,000社以上が利用しています。敷金返還くんは、審査の書類を出してから返還まで目安1か月半〜2か月ほどで、複数の店舗の預託敷金の計6,000万円のうち3,000万円が返った事例があります。

使うかどうかは、戻る現金や減る保証金の使い道の効果と、日商保に払う保証料を比べて決めます。保証料は、賃料、減らす額や返す額、契約期間などで変わり、日商保が無料で見積もりを出します。例の店で保証金500万円の半額の250万円が戻るなら、その250万円で金利のかかる借入れを返す、補助金を使う設備の立替えに充てる、新しい店の保証金に回す、といった使い道の効果が、保証料を上回るかを見ます。保証料は費用として利益を減らすため、使い道の効果が保証料を上回らない場合は使いません。

よくある質問

店舗のコスト削減は、何から始めればよいですか?

毎月の費用を、仕入・材料、人件費、家賃、水道光熱費、手数料、その他に分け、売上に対する割合を3か月分並べます。次に、比べる相手との差に月商を掛けて、費目ごとの月の見直しの余地を出し、大きい順に手をつけます。

飲食店のFL比率は、何%が目安ですか?

「60%以下」を目安とする説明がよく見られますが、日本政策金融公庫の「小企業の経営指標調査」(2025年度)では、一般飲食店のFL比率(原価率と人件費率の平均の合計)は、全社の平均で67.9%、黒字の企業の平均で63.7%でした。黒字の企業の平均で60%を下回ったのは、喫茶店(55.5%)など一部の業態です。自店の業態の数字と比べます。

原価率は、仕入の額を売上で割ればよいですか?

月ごとの原価は「月初の在庫 + その月の仕入 − 月末の在庫」で出し、それを売上で割ります。仕入の額だけで割ると、仕入の多い月と少ない月で原価率が大きくぶれ、ロスの大きさが見えません。

人件費率は、何%なら高いのですか?

業態で大きく違います。日本政策金融公庫の調査(2025年度)では、一般飲食店は全社の平均32.9%(中央値33.2%)、黒字の企業の平均31.5%、美容業は41.9%(中央値43.8%)と38.4%、理容業は49.8%(中央値50.8%)と44.4%でした。自店の業態の中央値より高ければ、時間帯ごとの人時売上高から見直します。

店舗の家賃は、売上の何%までなら払えますか?

「1 − 原価率 − 人件費率 − その他の経費の割合 − 残したい営業利益の割合」が上限です。原価率35%、人件費率32.9%、その他の経費20%の店で営業利益を3%残すなら、上限は売上の9.1%です。

店舗の家賃を下げてもらうことはできますか?

借地借家法第32条により、経済事情の変動や近くの同じような建物の賃料との比較で不相当になったときは、将来に向かって減額を求められます。話し合いで決まらなければ、まず調停を申し立てます。ただし、賃料の改定について特約がある定期借家契約では、この規定は適用されません(同法第38条第9項)。

保証金は、経費になりますか?

預けている保証金は資産(差入保証金など)で、預けている間は経費になりません。返らない分(償却)は、返らないと決まった時点で費用の扱いに移り、契約から一定期間後に償却する定めなら、長期前払費用などに振り替えて償却期間にわたって費用にします。返らない分が20万円未満なら(契約ごとに判定)、その事業年度に全額を損金にできます。詳しくは「敷金の会計処理」で説明しています。

小売店は、どの費用から見直せばよいですか?

中小企業実態基本調査(令和6年度決算実績)では、法人の小売業の売上のうち66.3%が仕入・材料でした。値入率と実際の粗利率の差(値引き・処分・破損の分)を商品ごと・月ごとに記録し、発注量と売り場を見直すことが、利益に最も大きく効きます。

店舗の保証金を減らす方法はありますか?

新しく借りる店舗なら、保証金の月数を同じ地域・同じ広さの物件と比べて話し合う方法と、保証金の一部または全部を保証会社の保証に置き換える方法があります。保証会社の日商保の「敷金半額くん」は、日商保が貸主に保証を提供する代わりに、預ける保証金を半額から最大0円に減らすサービスです。日商保の審査と貸主の承諾が必要で、保証料がかかります。

営業中の店舗に預けている保証金を、現金に戻す方法はありますか?

保証会社の日商保の「敷金返還くん」を使うと、営業を続けたまま、預けている保証金の半額から最大全額を返してもらえます。返す保証金の代わりに日商保が貸主に保証を提供する仕組みで、借入れではありません。日商保の審査と貸主の承諾が必要で、保証料がかかります。審査の書類を出してから返還までは、目安として1か月半〜2か月ほどです。

まとめ

  • 中小企業の法人の合計で見た営業利益率は、小売業1.7%・飲食店2.0%・洗濯・理容・美容・浴場業2.3%
  • 費用を売上の1%分減らすと、営業利益は1.4〜1.6倍になる
  • 見直す順番は、比べる相手との差に月商を掛けた金額の大きい順に決める
  • 一般飲食店のFL比率は、全社の平均67.9%、黒字の企業の平均63.7%
  • 黒字の企業との差が原価率と人件費率のどちらに大きく出るかは、業態で違う
  • 原価率は、月末の在庫を数えて月ごとに出す
  • 原価率35%の品目で原価が10%上がると、粗利の額を保つ値上げは3.5%で足りる
  • 人件費は、時間帯ごとの人時売上高で見る
  • 理容・美容は、従業者1人当たりと椅子1台当たりの売上高を中央値と比べる
  • 払える家賃の上限は、1から原価率・人件費率・その他の経費・残したい利益を引いた割合
  • 賃料の改定の特約がある定期借家契約では、借地借家法第32条の増減請求は使えない
  • 預けた保証金500万円は、例の店では営業利益の約48か月分(黒字の企業の平均でも約23か月分)
  • 出店時の保証金は、保証会社の日商保の「敷金半額くん」で、半額から最大0円に減らせる
  • 営業中の店舗の保証金は、日商保の「敷金返還くん」で、営業を続けたまま半額から最大全額を資金に回せる(どちらも日商保の審査と貸主の承諾が必要で、保証料がかかる)

出典:経済産業省「中小企業実態基本調査」(令和6年度決算実績、売上高及び営業費用 産業中分類別表〈法人企業〉、e-Stat 2026年6月29日公開)、日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」(2025年度調査、2026年8月公表。業種別(飲食店,宿泊業)、業種別(サービス業)、利用の手引き)、厚生労働省「令和8年度最低賃金額答申」、同「令和8年度 地域別最低賃金 答申状況」、同「令和8年度業務改善助成金のご案内」、中小企業基盤整備機構「カタログ注文型とは|中小企業省力化投資補助金」「制度改定のご案内」、借地借家法第32条・第33条・第37条・第38条、民事調停法第24条の2、Growth Office 掲載データ(東京都で募集中の区画のうち用途に店舗を含むもの。2026年10月1日時点)。

Tags#金融・融資
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