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物流コストの削減方法|内訳と売上高物流コスト比率、効果が大きかった施策、物流効率化法、倉庫の保証金

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物流コストの削減方法|内訳と売上高物流コスト比率、効果が大きかった施策、物流効率化法、倉庫の保証金

物流コストは、商品や材料を運ぶ・保管する・積み降ろす・包む、といった物流の仕事と、その管理にかかる費用の合計です。日本ロジスティクスシステム協会(JILS)の「2025年度物流コスト調査」では、売上高に占める物流コストの割合(売上高物流コスト比率)は全業種平均で5.32%でした。物流事業者から運賃や料金の値上げを求められた企業の割合は92.8%で、4年続けて上がっています。JILSは、物流事業者からの値上げの要請や、人手不足による人件費の高騰を背景に、物流コストが上がる力は今も続いていると見ています。トラックドライバーなど自動車運転の業務には、2024年4月から時間外労働の上限(特別条項付きの36協定を結ぶ場合で年960時間)が適用されています。

この記事では、物流コストの内訳と売上高に占める割合の目安、自社の物流コストの出し方、JILSの調査で効果が大きかった施策、輸送・保管・荷役・包装・管理の費目ごとの下げ方、物流を外部に任せる場合と自社で持つ場合の比べ方、2025年4月から荷主にも努力義務を課した物流効率化法と、運送の委託に関わる取適法の決まり、倉庫の賃料と保証金の見直しを、JILSと国の公表資料をもとに整理します。

物流コストとは

JILSは、物流コストを「物流に起因して(関連して)発生するコスト」としています。物流事業者に払う運賃や保管料だけでなく、自社のトラックで運ぶ費用や、物流の仕事をする社員の人件費、自社倉庫の費用も物流コストに含まれます。

JILSの物流コスト調査は、通商産業省(現在の経済産業省)の「物流コスト算定活用マニュアル」に沿って、物流コストを次の2つの切り口で集計しています。

切り口分け方中身
機能別輸送費運ぶ費用。仕入先から自社へ(調達)、自社の拠点の間(社内)、自社から顧客へ(販売)に分かれる
機能別保管費倉庫に置いておく費用。材料の保管と製品の保管に分かれ、在庫の費用も含む
機能別荷役費入出庫、ピッキング、積み降ろしなどの作業の費用
機能別包装費輸送や保管のための梱包の費用
機能別物流管理費物流の計画・管理や情報の処理にかかる費用
支払形態別支払物流費物流事業者や物流子会社に払う費用など
支払形態別自家物流費自社の物流の人件費、物流施設の費用、減価償却費、在庫の費用

表の「中身」は一般的な説明です。物流費という言葉も、多くの場合、物流コストと同じ意味で使われます。この記事では、JILSの調査にならって物流コストと書きます。

物流コストの割合の目安(売上高物流コスト比率)

売上高物流コスト比率は、物流コストの金額を売上高で割った値です。JILSの調査では、回答した企業ごとの比率の平均値を、全業種の目安として出しています。

2025年度調査(有効回答205社、主に2024年度の実績)の売上高物流コスト比率は5.32%で、前の年度の調査から0.12ポイント下がりました。それでも、過去20年の調査の中では4番目に高い水準です。過去20年で最も高かったのは2021年度調査の5.70%で、2015年度調査の4.63%から、全体として上がってきています。

売上高物流コスト比率の推移(全業種平均)。2005年度調査の4.83%から、2015年度調査は4.63%、2020年度調査は5.38%、2021年度調査は5.70%で最も高く、2022年度調査は5.31%、2023年度調査は5.00%、2024年度調査は5.44%、2025年度調査は5.32%

業種によっても違います。2024年度調査(有効回答191社、主に2023年度の実績)では、製造業が5.37%、卸売業が5.19%、小売業が6.38%でした(回答は製造業131社、卸売業37社、小売業18社)。JILSは、回答する企業が200社前後に限られるため、近年は数値が上下しやすいとしています。自社の比率は、同じ業種の数字に加えて、自社の過去の比率とも比べて見ます。

売上高10億円の会社で比率が5.32%なら、物流コストは年5,320万円です。その1割を下げれば、年532万円の利益が増えるのと同じです。

物流コストの内訳

2024年度調査の全業種の内訳では、輸送費が55.89%で半分を超え、保管費が19.66%、荷役費が15.52%、物流管理費が4.93%、包装費が4.00%でした。輸送費の中では、自社から顧客へ運ぶ販売輸送費が最も大きく、物流コスト全体の34.36%です。拠点の間の社内輸送費は15.19%、仕入れの調達輸送費は6.34%です(いずれも物流コスト全体に対する割合)。

物流コストの内訳(全業種・2024年度調査、191社)。機能別では輸送費55.89%、保管費19.66%、荷役費15.52%、物流管理費4.93%、包装費4.00%。輸送費の内訳(物流コスト全体に対する割合)は販売輸送費34.36%、社内輸送費15.19%、調達輸送費6.34%。支払形態別では、物流事業者などに払う支払物流費が82.75%、自社で負担する自家物流費が17.25%

支払形態別では、物流事業者や物流子会社に払う費用などの支払物流費が82.75%、自社の人件費や施設の費用などの自家物流費が17.25%でした。物流コストの8割は外に払うお金なので、運賃や料金が上がると、そのまま物流コストに表れます。

値上げの要請と応じた割合

2024年度調査では、物流事業者から値上げの要請を受けた企業が168社中154社(91.7%)で、そのうち150社(97.4%)が要請に応じました。値上げを求められた費目は、輸送費が150社で最も多く、荷役費89社、保管費78社、包装費58社、物流管理費25社の順でした。2025年度調査では、要請を受けた企業の割合は92.8%に上がっています。日本全体の物流コスト(マクロ物流コスト)も、2023年度は55.4兆円と過去最高の水準で、2024年度は56.6兆円前後に増えると見込まれています。

運賃そのものを下げてもらう交渉は、こうした状況では通りにくいと考えられます。物流コストを下げるには、運ぶ量や回数、積み方、待ち時間、保管する量といった「使い方」を見直して、同じ料金でも払う総額を減らす方法が中心になります。

自社の物流コストの出し方

物流コストは、損益計算書の1つの科目にまとまっていません。顧客へ送る運賃は販売費、仕入れの運賃は仕入れの原価、工場の中の運搬は製造原価、物流の社員の給与は給料手当、借りている倉庫の家賃は地代家賃、というように、多くの会社でいくつもの科目に分かれて入っています。JILSは、梱包のコストは生産部門、輸送のコストは物流部門が管理していることが多く、生産部門には梱包のコストを小さくしようとする力が働くと説明しています。部門ごとの部分的な最適化で、非効率が生じているケースも少なくないと見ています。

順番すること拾う費用の例
1支払物流費を集める物流事業者の請求書(運賃、保管料、荷役料、梱包料、システム利用料)、物流子会社への支払
2自家物流費を集める物流の仕事をする社員の人件費、自社倉庫の家賃や減価償却費、自社のトラックの燃料費・リース料、梱包資材、在庫の費用
3機能別に振り分ける輸送・保管・荷役・包装・物流管理のどれにあたるか
4売上高で割る売上高物流コスト比率を出し、業種の目安や過去の自社と比べる
5同じ方法で続けて測る毎月・毎年同じ範囲で集計し、見直しの効果を確かめる

人件費は、物流の仕事にかかった時間の割合などで按分します。最初から細かく分けられなくても、支払物流費の請求書を費目ごとに並べるだけで、どこに多く払っているかが見えます。

効果が大きかった施策の順位(JILSの調査)

JILSの2024年度調査では、2023年度に各社が実施した施策のうち、物流コストの適正化に効果が大きかったものを聞いています。1位は「輸配送改善(積載率向上、混載化、帰り便の利用など)」、2位は「在庫削減」、3位は「輸配送経路の見直し」でした。順位は、効果が大きかったと答えた企業の数の順です。物流コストの半分以上を占める輸送費に関わる施策が、上位に多く入っています。

物流コストの適正化に効果が大きかった施策(JILS 2024年度調査、回答数)。輸配送改善20、在庫削減15、輸配送経路の見直し9、配送頻度の見直し8、リードタイムの見直し8、アウトソーシング料金の見直し7、物流拠点の見直し(拠点数減)6、保管改善6

2024年度に実施を予定している施策では、1位が「物流デジタル化の推進(AI導入、RPA導入、伝票電子化、物流情報システム導入など)」、2位が「物流の共同化」、3位が「自動化・機械化の推進(マテハン・ロボット・自動倉庫などの導入など)」でした。効果が大きかった施策には輸送と在庫に関わるものが多く、これから取り組む施策にはデジタル化・共同化・自動化が並んでいます。JILSは、実施予定の施策には、物流コストの適正化以外の効果を期待するものも含まれるとしています。

輸送費を下げる方法

輸送費は、運ぶ回数と、1回あたりの費用で決まります。1回の積載を増やし、回数と距離を減らすのが基本です。

方法中身
積載率を上げる荷台の空きを減らす。混載や帰り便の利用、荷姿をそろえて積みやすくする
配送頻度とロットを見直す少量を何度も運ぶ注文を、まとめて運べる条件に変える。顧客と納品の条件を相談する
輸配送経路を見直す拠点から届け先までの経路と、立ち寄る順番を組み直す
リードタイムを見直す当日・翌日の急ぎ便を減らし、計画的に運べる日数をもらう
共同配送同じ方面に運ぶ他社と、荷物を合わせて運ぶ
直送化倉庫を経由せずに、仕入先や工場から顧客へ直接運ぶ
荷待ち・荷役の時間を減らすトラックの到着の予約、積み込みの準備、パレットでの積み降ろし

荷待ちと荷役の時間は、運べる量を減らす

厚生労働省によると、自動車運転の業務には、2024年4月から時間外労働の上限(特別条項付きの36協定を結ぶ場合で年960時間)が適用されています。運転の時間や休息の時間を定めた「改善基準告示」も、同じ2024年4月から改正後の内容が適用されています。荷主の倉庫や工場での荷待ちや積み降ろしが長引くと、その分ドライバーの1日の時間が使われ、1日に運べる量が減ります。

国土交通省が2025年度に行った荷主・物流事業者の取組状況の調査では、荷主の取組として「積合せや帰り荷の確保等を行うための時間確保」(85%)や「関係部門間の連携」(83%)が進んでいる一方、手積み・手降ろしなどの改善が進まず、荷待ちが5時間を超える現場もあるという声が出ています。同じ調査では、予約システムの導入や積み込みの時間の共有、伝票の事前の準備で、荷待ちをゼロにする取り組みが進んでいるという声も挙がっています。荷待ちが減れば、ドライバーが同じ時間で運べる量が増えます。

保管費を下げる方法

保管費は、置いている物の量と、置いている場所の費用で決まります。

  • 在庫を減らす:JILSの調査で2位だった施策です。売れ行きに合わせて発注の量と時期を見直し、長く動いていない在庫を整理すると、保管の面積と在庫の費用の両方が減ります
  • 保管の効率を上げる:ラックの段数や通路の幅、どの品をどこに置くか(ロケーション)を見直して、同じ面積に多く置けるようにします
  • 拠点の数と場所を見直す:拠点を減らすと保管費や管理の費用は下がりますが、届け先までの距離が延びて輸送費が上がることがあります。保管費と輸送費を合わせた総額で比べます

荷役費・包装費・物流管理費を下げる方法

荷役費は、物流コストの15.52%を占めます(2024年度調査)。作業の手順をそろえ、よく出る品を出入口の近くに置き、ケースやパレットの単位で動かせるようにすると、作業の時間が短くなります。倉庫管理システム(WMS)を入れて、在庫の場所と数をデータで管理すると、探す時間と数え間違いが減ります。

包装費は物流コストの4.00%(2024年度調査)と小さい費目ですが、梱包の大きさは輸送と保管の効率に影響します。JILSも、梱包のコストが少し増えても、梱包の見直しで輸送費と保管費を下げることを目指すべきだとしています。箱の大きさを荷物に合わせて詰め物と空間を減らすと、1台に積める量と、棚に置ける量が増えます。

物流事業者からの請求は、費目を問わず、契約の単価や作業の実績と照らし合わせます。物流を外部に任せている場合は、JILSの調査で6位だった「アウトソーシング料金の見直し」のように、作業の範囲と料金の決まり方を定期的に見直します。

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物流を任せるか、自社で持つかを比べる

物流を物流事業者にまとめて任せる方法(3PLなど)と、自社で倉庫を借りて人と設備をそろえる方法では、費用のかかり方が違います。

比べること任せる場合自社で借りる
費用のかかり方保管料や荷役料を、扱う量や使う面積に応じて払う契約にすれば、量が減ったときに費用も減る賃料や人件費は、扱う量にかかわらずかかる
初めに要る資金倉庫の賃貸借の保証金や入居の工事は要らない。始めにかかる費用は見積もりで確かめる保証金、仲介手数料、ラックなどの入居の工事が要る
量が多い時期料金表どおりに費用が増える同じ倉庫と人で扱えれば、1個あたりの費用は下がる
やめるとき契約期間と解約の条件による解約の予告の期間の賃料と、原状回復の費用がかかる

比べるときは、同じ物量で1年間の総額を出します。物流事業者に任せる場合は、保管料の決まり方(置いた個数で決まるか、借りる面積で決まるか)、荷役料、最低料金、契約期間と解約の条件を並べます。自社で借りる場合は、賃料と人件費に加えて、保証金・入居の工事・退去のときの原状回復の費用まで入れて比べます。

物流効率化法で荷主に求められること

2024年5月15日に公布された改正法で、「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律」は「物資の流通の効率化に関する法律」(物流効率化法)に名前が変わり、荷主にも物流の効率化への取り組みが求められるようになりました。国土交通省の案内によると、内容は次のとおりです。

時期対象内容
2025年4月1日からすべての荷主・物流事業者(トラック、鉄道、港湾運送、航空運送、倉庫)物流の効率化のために取り組むべき措置の努力義務。国が判断基準を定め、取組の状況をもとに指導・助言、調査・公表を行う
2026年4月から一定規模以上の荷主・物流事業者(特定事業者)中長期計画の作成と定期報告の義務
2026年4月から特定荷主と特定連鎖化事業者物流統括管理者(CLO)の選任の義務

特定事業者になるのは、荷主と連鎖化事業者では取り扱う貨物の重量が9万トン以上、トラック事業者などでは保有する車両が150台以上、倉庫業者では貨物の保管量が70万トン以上の事業者です。この基準に当たらない会社でも、努力義務の対象にはなります。

同じ改正で、貨物自動車運送事業法では、荷主・トラック事業者・利用運送事業者が運送の契約を結ぶとき、提供する役務の内容とその対価(附帯業務料や燃料サーチャージなどを含む)を書いた書面を交付することなどが義務付けられました。運賃と附帯作業の料金が書面で分かれると、どの作業にいくら払っているかが見えるため、荷役や待ち時間を減らしたときの効果も確かめやすくなります。

運送を委託するときの決まり(取適法)

2026年1月1日、下請法は改正され、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」、略して中小受託取引適正化法(取適法)になりました。販売する物品などを取引の相手方に届ける運送の委託(特定運送委託)も、対象の取引に加わっています。委託する側の資本金が3億円を超え、受ける側が3億円以下の場合などのほか、委託する側の従業員が300人を超え、受ける側が300人以下の場合も対象になります。

対象になる取引では、受ける側から費用の変動などを理由に協議を求められたのに応じず、必要な説明もしないまま一方的に代金を決めること、通常の対価より著しく低い代金を不当に定めること、発注のあとで受ける側に責任がないのに代金を減らすことが禁止されています。代金の支払期日は、運送の提供を受けた日から60日以内で定めます。物流コストを下げるときは、運送会社に値下げだけを求めるのではなく、積み方や待ち時間、運ぶ回数を一緒に見直して、総額を下げる進め方をとります。対象になる会社の組み合わせと禁止される行為は、「取適法とは」で説明しています。

倉庫の賃料と保証金を見直す

自社で倉庫を借りている会社では、倉庫の賃料も保管費に入ります。倉庫の月額賃料は坪単価と面積で決まり、保証金(敷金)は「月額賃料×月数」で決まることが多くあります。

当社の記事「倉庫・工場の敷金と保証金」の計算の例では、300坪・坪単価4,000円の倉庫の月額賃料は120万円、保証金が6か月分なら720万円です。保証金に、仲介手数料132万円、前払いの賃料120万円、入居の工事300万円、引越し・運搬100万円を合わせた初期費用1,372万円のうち、保証金が52.5%を占めます(金額は計算のための例で、賃料にかかる消費税は含めていません)。

保証金は、退去して倉庫を返したあとに、未払いの賃料や原状回復の費用を差し引いて返ってくるお金なので、費用ではありません。ただし、退去するまで貸主に預けたままで、運転資金にはあてられません。契約に償却(退去のときに差し引かれる分)があれば、その分は返ってこない費用になります。拠点を移すときは、新しい倉庫の保証金を先に払い、今の倉庫の保証金は明け渡しのあとに戻るため、一時的に手元の資金が大きく減ります。拠点を増やすときは、新しい倉庫の保証金を、退去するまで預けたままになります。

見直すところ確かめること
賃料坪単価と面積が、今の保管量と今後の増減に合っているか
保証金の月数近い条件の物件と比べて多すぎないか
償却返ってこない分があるか、何か月分か
原状回復の範囲退去のときに差し引かれる工事の範囲が、契約に書かれているか
移転の時期新旧の賃料が重なる期間と、保証金が戻る時期

契約書で確かめる条項は「倉庫の賃貸借契約書で確かめること」、退去のときの精算は「倉庫・工場を退去するときの保証金の精算」、敷金と保証金の違いは「倉庫・工場の敷金と保証金」で詳しく説明しています。

保証金を保証に置き換える

当社の「敷金半額くん」は、新しく借りる物件の敷金・保証金を、半額から最大0円まで減らすサービスで、物流倉庫などの倉庫でも相談できます。減らした分の代わりに、当社が貸主に保証を提供します。月額賃料120万円・保証金6か月分(720万円)の例なら、360万〜720万円を、入居の工事や運転資金に回せます。

すでに借りている倉庫の保証金は、「敷金返還くん」で、入居したまま現金で取り戻せます。どちらも、利用には当社の審査と貸主の承諾が必要で、当社への保証料がかかります。

よくある質問

物流コストと物流費は違いますか?

ほぼ同じ意味で使われます。JILSの物流コスト調査では、物流事業者に払う費用(支払物流費)に加えて、自社の物流の人件費や施設の費用など(自家物流費)も物流コストに含めています。

売上高物流コスト比率は、何%くらいが普通ですか?

JILSの2025年度調査では、全業種平均で5.32%でした。業種で違い、2024年度調査では製造業5.37%、卸売業5.19%、小売業6.38%です。調査に回答する企業は200社前後のため、自社の過去の比率ともあわせて比べます。

物流コストはどうやって計算しますか?

物流事業者への支払(支払物流費)と、自社で負担している物流の費用(自家物流費)を集め、輸送・保管・荷役・包装・物流管理に振り分けて合計します。売上高で割ると、売上高物流コスト比率になります。

物流コストを下げるには、何から始めればよいですか?

JILSの2024年度調査で、効果が大きかったと答えた企業が多かった施策は、輸配送の改善(積載率の向上、混載、帰り便の利用など)、在庫の削減、輸配送経路の見直しの順でした。まずは、物流コストの半分以上を占める輸送費と、保管費に関わる在庫から見直します。

物流効率化法は、中小企業にも関係がありますか?

関係があります。2025年4月から、すべての荷主に物流の効率化に取り組む努力義務があります。中長期計画の作成や物流統括管理者(CLO)の選任の義務は、取り扱う貨物の重量が9万トン以上などの特定事業者に限られます。

倉庫の保証金は物流コストに入りますか?

保証金は退去のあとに返ってくるお金なので、費用には入りません。ただし、預けている間は資金が使えず、償却がある場合は、その分が返ってこない費用になります。

まとめ

  • 物流コストは、輸送・保管・荷役・包装・物流管理の費用の合計で、物流事業者に払う費用と自社で負担する費用の両方を含む
  • 売上高物流コスト比率は、JILSの2025年度調査で全業種平均5.32%
  • 物流コストの内訳は、輸送費が55.89%で最も大きい(2024年度調査)
  • 物流事業者から値上げを求められた企業は92.8%(2025年度調査)。運賃の引き下げより、使い方の見直しが中心になる
  • 効果が大きかったと答えた企業が多い施策は、輸配送改善・在庫削減・輸配送経路の見直しの順(2024年度調査)
  • 2024年4月からドライバーの時間外労働の上限(特別条項付きの36協定を結ぶ場合で年960時間)が適用され、荷待ちと荷役の時間の削減が欠かせない
  • 2025年4月から、すべての荷主に物流効率化の努力義務がある
  • 倉庫の保証金は費用ではないが、退去まで資金が使えない
  • 倉庫の保証金を保証に置き換えて減らせば、その分を入居の工事や運転資金に回せる

出典:日本ロジスティクスシステム協会「2025年度物流コスト調査報告書(概要版)の公表」(2026年4月30日)、同「2024年度 物流コスト調査報告書【概要版】」、同「物流コスト調査」、厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」、国土交通省「物流効率化法について(荷主・物流事業者の皆様へ)」「改正物流効率化法の施行に伴う義務」、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法)。

Tags#金融・融資
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