創業・起業

居酒屋の開業資金|費用の内訳と小さな居酒屋の資金計画、必要な資格と届出、売上と損益分岐点の見込み方

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居酒屋の開業資金|費用の内訳と小さな居酒屋の資金計画、必要な資格と届出、売上と損益分岐点の見込み方

居酒屋を開くには、店を借りる費用、内装と電気の工事、厨房機器、テーブルや食器、看板、開店後しばらくの仕入れと人件費が必要です。日本政策金融公庫の「2025年度新規開業実態調査」では、開業にかかった費用は平均975万円、中央値600万円でした(業種をまとめた数字)。居酒屋は、席数と回転数で売上が決まる一方で、材料費と人件費の割合が高く、家賃を含む固定費をまかなえる売上の水準(損益分岐点)を開業前に確かめておくことが欠かせません。

この記事では、居酒屋の開業資金の内訳、15坪・30席の小さな居酒屋の資金計画の例、開業に必要な資格と届出、酒場の経営指標を使った売上と損益分岐点の見込み方、開業資金を抑える方法と集め方を、公的な資料をもとに整理します。

居酒屋の開業資金の内訳

日本政策金融公庫の「居酒屋の創業ポイント」は、居酒屋の開業に必要な資金を、次のように設備資金と運転資金に分けて挙げています。

区分項目
設備資金店舗取得費(敷金・保証金など)
設備資金内装工事・電気工事
設備資金厨房機器
設備資金什器・備品
設備資金看板工事
運転資金食材・酒類の仕入れ
運転資金家賃
運転資金人件費
運転資金水道光熱費
運転資金広告宣伝費
運転資金消耗品費、その他の経費

同じ解説は、考えられる資金をすべて書き出したうえで、「できるだけ初期投資は抑える」という観点で必要最低限に絞ると、開業後の採算がとりやすくなるとしています。設備資金は業者に見積書を依頼し、特に内装工事は相見積もりをとって依頼先を決めるよう勧めています。

前の店の内装や厨房設備が残っている「居抜き」の物件か、何もない「スケルトン」の物件かで、内装・電気工事と厨房機器の費用は大きく変わります。

開業費用の目安(日本政策金融公庫の調査)

日本政策金融公庫総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」は、公庫が2024年4月から9月にかけて融資した、開業して1年以内の企業を対象にした調査です(回答2,165社、不動産賃貸業を除く)。

開業費用割合
250万円未満20.1%
250万〜500万円未満21.7%
500万〜1,000万円未満29.7%
1,000万〜2,000万円未満18.5%
2,000万円以上10.0%

開業費用の平均は975万円、中央値は600万円です。開業のときに集めた資金は平均1,219万円で、金融機関等からの借り入れが827万円(67.9%)、自己資金が279万円(22.9%)でした。業種をまとめた数字で、回答した企業のうち「飲食店・宿泊業」は14.5%です。

居酒屋を取り巻く状況

日本政策金融公庫の「居酒屋の創業ポイント」は、一般社団法人日本フードサービス協会の調査(2023年)で、外食産業の中で居酒屋の売上の水準がコロナ禍前の2019年を下回る状況が続いていることを紹介しています。また、公庫の「新規開業パネル調査」(2021年12月)で、2016年に創業した企業のうち2020年末までに廃業した割合は、全業種の8.9%に対して「飲食店・宿泊業」は14.7%でした。同じ解説は、居酒屋は難しい業種であり、創業するときは綿密な検討と準備が欠かせないとしています。

15坪・30席の小さな居酒屋の資金計画の例

15坪(約50㎡)・30席の居酒屋を、内装のない物件で開く場合の例です。金額は計算のための例で、実際の金額は物件と見積もりで変わります。

物件を借りる費用

項目金額前提
保証金200万円月額賃料20万円の10か月分
礼金0円礼金なしの物件
仲介手数料22万円上限の賃料1か月分の1.1倍(消費税込み)
前払いの賃料20万円1か月分
合計242万円

店舗の保証金は、オフィスより多くなりがちです。当社が運営するオフィス検索サイト「Growth Office」で、東京都で募集中の区画のうち用途に店舗を含むもの(2026年10月1日時点)を集計すると、保証金の月数の中央値は11か月分でした(28区画のため参考値)。同じくらいの広さのオフィス(20〜50坪)の中央値は6か月分です。保証金の仕組みは「敷金と保証金の違い」で説明しています。

開業資金の合計と集め方

必要な資金金額
物件を借りる費用242万円
内装工事・電気工事400万円
厨房機器150万円
什器・備品60万円
看板工事30万円
開業の準備(広告、メニューの試作、最初の仕入れ)33万円
運転資金(固定費の3か月分)285万円
合計1,200万円
集め方金額
自己資金300万円
融資900万円
合計1,200万円

運転資金は、家賃20万円、人件費50万円、水道光熱費10万円、そのほかの経費15万円の月95万円を、3か月分としました。

15坪・30席の居酒屋の開業資金の例。必要な資金1,200万円の内訳は、保証金200万円、仲介手数料と前払いの賃料42万円、内装工事・電気工事400万円、厨房機器150万円、什器・備品60万円、看板工事30万円、開業の準備33万円、運転資金285万円。保証金200万円は全体の16.7%で、退去まで返ってこない。集め方は自己資金300万円と融資900万円。金額は計算のための例

この例では、保証金の200万円が開業資金の16.7%を占めます。保証金は退去するまで貸主に預けたままのお金で、開店後の仕入れや人件費にはあてられません。

開業までの流れ

物件を決めてから開店するまでの、手続きを中心にした流れです。

順番すること確かめること・出すもの
1物件を探して契約する飲食店として使えるか、深夜にお酒を出せる地域か、給排水・ガス・電気の容量、保証金と償却
2保健所に相談する内装の図面の段階で、設備が基準に合うか
3内装・設備の工事図面どおりに、厨房と手洗いの設備をつくる
4飲食店営業の許可を申請する申請書、施設の構造と設備の図面(2通)、食品衛生責任者の資格を証明するもの、申請の手数料(東京都)
5施設の検査を受ける衛生管理計画も、申請か検査のときに確かめられる(東京都)
6深夜酒類提供飲食店営業の開始届を出す(午前0時から6時の間にお酒を出す場合)管轄の警察署へ。営業所ごとに届け出る
7許可を受けて開店する許可を受けるまでは営業できない
8開業届を出す(個人の場合)税務署へ。事業を始めた年分の確定申告期限まで(国税庁)

工事が終わってから許可を受けるまでの間も家賃はかかります。開店日は、許可の申請と検査の日程を保健所に確かめたうえで決めます。

居酒屋の開業に必要な資格と届出

手続き出す先・相談先必要になる場合
飲食店営業の許可保健所店で料理やお酒を出すとき
食品衛生責任者を置く保健所(許可の申請で資格を証明)許可を受ける店
防火管理者を置く消防署収容人数30人以上の店
深夜酒類提供飲食店営業の開始届警察署午前0時から6時の間にお酒を出すとき
酒類の販売業免許税務署お酒を持ち帰り用に売るとき
個人事業の開業届税務署個人で開業するとき

食品衛生責任者

食品の営業をするときは、食品衛生責任者を定める必要があります(東京都保健医療局)。調理師の免許がなくても、計6時間ほどの養成講習会を受ければ食品衛生責任者になれます。講習は、食品衛生学、食品衛生法、公衆衛生学と確認試験で構成され、東京都では一般社団法人東京都食品衛生協会が行っています。平成9年4月1日以降の修了証書は、全国どこでも有効です。

調理師、製菓衛生師、栄養士、管理栄養士などの資格を持っている人は、講習会を受けなくても食品衛生責任者になれます。食品衛生責任者になったあとも、講習会を定期的に受けて、食品衛生の新しい知識を身につけるよう求められています。

飲食店営業の許可

居酒屋を開くには、保健所の「飲食店営業許可」が必要です。日本政策金融公庫の解説では、許可の申請には食品衛生責任者を置くこと、収容人数30人以上の飲食店なら防火管理者を置くことが必要で、申請は管轄の保健所に相談するよう勧めています。許可には店の構造や設備の基準があるため、内装の図面ができた段階で保健所に確かめておくと、工事のやり直しを避けられます。

深夜にお酒を出す場合

午前0時から6時の間に営業してお酒を出す場合は、管轄の警察署に「深夜における酒類提供飲食店営業」の開始の届出をします。日本政策金融公庫の解説によると、地域によっては深夜にお酒を出すことが認められていないため、物件を決める前に確かめます。警視庁の案内では、届出には次の書類が必要です。

  • 深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書
  • 営業の方法を記載した書類
  • 営業所の平面図
  • 住民票(本籍が記載されたもの。外国人は国籍が記載されたもの)
  • 法人の場合は、定款、法人の登記事項証明書、役員全員の住民票

お酒を持ち帰り用に売る場合

国税庁によると、酒場や料理店のように、お酒を自分の店で飲んでもらうために出す場合は、酒類の販売業免許は要りません。一方で、テイクアウト用など、店の外で飲むためのお酒を売る場合は、販売場ごとに、所在地を管轄する税務署長から販売業免許を受ける必要があります。申請の手数料はかかりませんが、免許1件につき登録免許税がかかります。お酒の仕入れや販売を帳簿に記帳する必要は、店で出すだけの場合も同じです。

融資と許可の順番

日本政策金融公庫の解説によると、創業の融資では、許可を取ることが融資の条件になります。金融機関の審査によりますが、「融資のあとに確認する条件」とされることが多く、その場合は融資を受けてから許可を申請できます。

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売上の見込み方

日本政策金融公庫の解説では、居酒屋の売上予測は「客単価×座席数×回転数」で出すのが一般的とされ、客単価3,000円・30席・1回転なら1日9万円という例を挙げています。この例で、月25日営業とすると次のとおりです。

項目数字
1日の売上3,000円×30席×1回転=9万円
1か月の売上9万円×25日=225万円
1年の売上2,700万円

同じ解説は、客単価や回転数の根拠を明確にすることが大切だとして、根拠の例に、前の勤務先での客単価や来店客数のデータ、店の予定地の周りの市場調査(人口、世帯数、年代、駅の乗降客数、通行量、競合店)、SNSのフォロワーや顧客のリストを挙げています。市場調査には、国の統計システム「e-Stat」の「地図で見る統計(jSTAT MAP)」も使えるとしています。

酒場の経営指標と比べる

日本政策金融公庫の「小企業の経営指標調査」(2025年度調査、2026年8月公表)には、「酒場,ビヤホール」の経営指標があります。公庫が融資した従業者50人未満の法人のうち、212社の決算(2024年7月以降の決算期)を集計したものです。

指標平均中央値
店舗面積1坪(3.3㎡)あたりの売上高(年)253.5万円186.5万円
1社あたりの店舗面積132.1㎡99.7㎡
売上高総利益率67.8%67.9%
人件費の売上に対する割合32.2%33.0%
諸経費の売上に対する割合32.9%31.4%
営業利益の売上に対する割合−1.8%−0.1%
損益分岐点比率103.8%100.9%

この調査の店舗面積は、事務所・倉庫・厨房などを除いた客席側の面積です。先の15坪の例で客席側を10坪とすると、中央値(1坪あたり年186.5万円)どおりの売上は、月約155万円です。見込みの月225万円は、その約1.45倍にあたります。見込みが中央値を大きく上回るときは、客単価、回転数、営業日数の前提を一つずつ見直します。

売上高総利益率が約68%ということは、売上のうち約32%が材料や酒類の原価です。同じ解説も、食材や酒類が高騰している中で、メニューごとに原価率を計算しておくことを勧めています。

損益分岐点と1日に必要な客数

固定費を売上高総利益率で割ると、損益分岐点の売上が出ます。酒場の売上高総利益率の中央値67.9%を使い、先の例で計算します。

項目店の固定費だけの場合本人の生活費と返済を含む場合
月の固定費95万円132.5万円
損益分岐点の売上(月)約140万円約195万円
1日あたり(25日営業)約5.6万円約7.8万円
1日に必要な客数(客単価3,000円)約19人約26人
30席での回転数約0.62回転約0.87回転

本人の生活費は月30万円、融資900万円を10年で返す元金を月7.5万円としました(金額は計算のための例です)。

15坪・30席の居酒屋の月の売上の比較。見込みの売上225万円、酒場の経営指標の中央値(客席側10坪)どおりの売上155万円、本人の生活費と返済を含む損益分岐点195万円、店の固定費だけの損益分岐点140万円。中央値どおりの売上では、生活費と返済を含む損益分岐点に届かない。金額は計算のための例

経営指標の中央値どおりの売上(月約155万円)では、店の固定費はまかなえても、本人の生活費と返済を含む損益分岐点(月約195万円)には届きません。損益分岐点比率の中央値が100.9%ということは、調査した酒場の半数ほどが、損益分岐点の近くか、それを下回る売上で営業していることを示しています。開業前に、売上が中央値程度にとどまった場合にどうなるかを計算し、家賃や人件費をその売上に見合う額に抑えられるかを確かめます。

予想どおりの売上になるとは限らない

日本政策金融公庫の「2025年度新規開業実態調査」では、開業前に予想していた月商を調査時点で達成していた人は58.7%で、41.3%は予想に届かず、10.5%は予想の半分にも届いていませんでした(業種をまとめた数字)。開業時に苦労したこと(三つまでの複数回答)は、「資金繰り、資金調達」が56.9%で最も多く、「顧客・販路の開拓」が49.9%でした。運転資金は、売上が予想に届かない月が続いても家賃と人件費を払える額を見込みます。

家賃は売上に見合っているか

先の例では、家賃20万円は見込みの売上(月225万円)の8.9%、中央値どおりの売上(月約155万円)なら12.9%にあたります。経済産業省の「中小企業実態基本調査」(令和6年度決算実績)で、中小企業の飲食店の地代家賃は売上高の約5.7%(法人)、約5.9%(個人)でした。自社の建物で営業する店も含めた平均なので、店を借りている店はこれより高くなりますが、売上が見込みを下回ったときの比率も含めて確かめます。家賃と売上の関係は「飲食店の家賃比率」で詳しく説明しています。

コンセプトと店舗のつくり方

日本政策金融公庫の解説は、居酒屋の商品やサービスは、おいしいものを出すだけでは足りず、お客さまの本当の目的(一緒に行く人と仲良くなりたい、スタッフと話したい、一人で静かに過ごしたいなど)を満たすように組み立てることが大切だとしています。コンセプトを固めるときに検討する点として、次の3つを挙げています。

検討すること中身
どんなお客さまへ年齢、住まい、職業、年収、グループの人数など、来てほしいお客さまの姿
何を出すか焼き鳥、海鮮料理など、メインの料理やお酒と、そのわかりやすい特徴
どのように出すか営業時間、価格の設定、支払いの方法(カード、電子マネー)

店舗の物件は、コンセプトに合うものが理想でも、タイミングよく見つかるとは限らないため、よい物件に出会ったらコンセプトを物件に合わせて直す柔軟さも必要だとしています。カウンター、テーブル席、座敷などの組み合わせは、お客さまが使いやすく、回転率も上がる構成を考えます。

メニューは、「あの店の○○が食べたい」と思われる利益率の高めの定番メニューと、旬の料理など話題になる集客メニューを組み合わせて、リピーターを増やすことを勧めています。開業の前からSNSで料理やお酒の情報を発信し、開店時の集客に成功した例も紹介されています。

開業資金を抑える方法

居抜きの物件を使う

前の店の内装や厨房設備が残っている居抜きの物件を使うと、工事と機器の費用を減らせます。先の例で、内装工事・電気工事が400万円から150万円に、厨房機器が150万円から40万円(修理など)に減り、前の借主に造作譲渡料150万円を払うとすると、開業資金は1,200万円から990万円になり、210万円減ります(金額は計算のための例です)。

ただし、残っている設備が誰のものか(前の借主か貸主か)、故障していないか、退去のときにどこまで元に戻す(原状回復する)かを、契約の前に確かめます。仕組みと注意点は「造作譲渡とは」で説明しています。

保証金を減らす

保証金を減らせれば、その分を内装や運転資金に回せます。当社の「敷金半額くん」は、新しく借りるオフィスや店舗の敷金・保証金を、半額から最大0円まで減らすサービスです。減らした分の代わりに、当社が貸主に保証を提供します。個人事業主や設立3期未満の会社も使えます。先の例なら、保証金200万円のうち100万〜200万円を、開業資金に回せます。利用には当社の審査と貸主の承諾が必要で、当社への保証料がかかります。

すでに営業している居酒屋なら、預けている保証金を入居したまま現金に戻す「敷金返還くん」もあります。2店舗目の出店や改装の資金にあてられます。

開業資金の集め方

居酒屋は、日本政策金融公庫の「生活衛生貸付」の対象です。飲食店の設備資金は7,200万円まで借りられ、返済期間は13年以内です。申込金額が500万円を超える場合は、原則として都道府県知事の推せん書が必要です。創業する人向けの「生活衛生新企業育成資金」もあります。

業種を問わない「新規開業・スタートアップ支援資金」も使えます。融資限度額は7,200万円、返済期間は設備資金20年以内、運転資金10年以内です。利用の条件に自己資金の割合の定めはありませんが、一般に自己資金は多いほうが金融機関から高く評価されやすいとされています。

それぞれの制度の条件は「飲食店の資金調達」、申し込む順番は「起業・開業の資金調達」で説明しています。

よくある質問

居酒屋の開業資金はいくら必要ですか?

物件と規模で大きく変わります。日本政策金融公庫の「2025年度新規開業実態調査」では、開業費用は平均975万円、中央値600万円でした(業種をまとめた数字)。この記事の15坪・30席の例では、運転資金3か月分を含めて1,200万円、居抜きの物件なら990万円です。

居酒屋を開くのに、調理師の免許は要りますか?

要りません。店に食品衛生責任者を置く必要がありますが、計6時間ほどの講習会を受ければなれます。調理師や栄養士などの資格がある人は、講習会を受けなくても食品衛生責任者になれます(東京都保健医療局)。

お酒を出すのに免許は要りますか?

店で飲んでもらうために出すだけなら、酒類の販売業免許は要りません。持ち帰り用に売る場合は、税務署の販売業免許が必要です(国税庁)。午前0時から6時の間にお酒を出す場合は、警察署への届出も必要です。

小さな居酒屋なら、いくらで開けますか?

物件の状態で大きく変わります。この記事の例で、居抜きの物件を使うと、スケルトンの物件より210万円少ない990万円でした。保証金を減らせれば、さらに開業時の資金は少なくて済みます。開業資金のほかに、売上が中央値程度にとどまったときも営業を続けられるかを、損益分岐点で確かめます。

預けた保証金は返ってきますか?

退去して店を返したあと、未払いの賃料や原状回復の費用、契約で決めた償却の分を差し引いて返ってきます。差し引かれるものは「敷金が返ってこない・少ないときの対処」で説明しています。

まとめ

  • 居酒屋の開業資金は、店舗取得費・内装工事・厨房機器・什器・看板の設備資金と、仕入れ・家賃・人件費などの運転資金に分けて見積もる
  • 日本政策金融公庫の調査では、開業費用は平均975万円、中央値600万円(業種をまとめた数字)
  • 15坪・30席の例では1,200万円。そのうち保証金200万円(16.7%)は退去まで返ってこない。居抜きなら990万円
  • 食品衛生責任者は6時間ほどの講習でなれる。深夜にお酒を出すなら警察署への届出、持ち帰り用に売るなら税務署の免許が要る
  • 酒場の経営指標(212社)は、売上高総利益率の中央値67.9%、損益分岐点比率の中央値100.9%
  • 中央値どおりの売上では、本人の生活費と返済を含む損益分岐点に届かない例もある。開業前に計算しておく
  • 保証金を保証に置き換えて減らせば、その分を内装や運転資金に回せる

出典:日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」、日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」(2025年度調査、2026年8月公表。業種別(飲食店,宿泊業)、利用の手引き)、日本政策金融公庫「居酒屋の創業ポイント」(2024年5月24日)「一般貸付(生活衛生貸付)」「新規開業・スタートアップ支援資金」「第6回 資金調達の準備をしよう」、東京都保健医療局「営業許可・届出の概要」「食品衛生責任者」、警視庁「性風俗関連特殊営業、深夜における酒類提供飲食店営業の届出」、国税庁「販売業免許関係」「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」、経済産業省「中小企業実態基本調査」(令和6年度決算実績)、国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」、Growth Office 掲載データ(東京都で募集中・公開中の区画のうち用途に店舗を含むもの。2026年10月1日時点)。

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