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テナントから解約予告が届いたら|オーナーが退去までにやること、次の募集と原状回復の段取り

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テナントから解約予告が届いたら|オーナーが退去までにやること、次の募集と原状回復の段取り

テナントから解約予告が届いたら、ビルのオーナーは、契約で予告の期間と退去日を確認し、退去の理由を聞いたうえで、退去を待たずに次の募集を始めます。予告を受けてから退去するまでの期間を次の募集に使えるかどうかで、空室の期間が大きく変わるためです。

オフィスの賃貸借契約では、借りる側の解約を6か月前までの予告で認める定めが多く見られます。この6か月を、原状回復の範囲の確認と、入居中の区画の内見の段取りにあてれば、退去の後、補修の工事を終えてすぐに次のテナントへ引き渡せる可能性が高まります。

この記事では、解約予告を受けたオーナーが最初に確認すること、予告の期間に関わる法律の決まり、次の募集を予告の段階で始める進め方、原状回復と退去の立会い、退去をめぐって起きやすいこと、敷金の精算までを、退去までの日程に沿って整理します。

解約予告が届いたら、最初に確認すること

解約予告が届いたら、まず契約書で予告の期間と解約の日を確認し、退去日と、それまでの賃料を書面で確定させます。そのうえで、退去の理由を聞き、関係する会社に連絡します。

契約で、予告の期間と解約の日を確認する

借りる側が契約の期間の途中で解約できるかどうかは、契約に中途解約の定めがあるかで決まります(民法第618条)。定めがあれば、「6か月前までに書面で予告する」「予告に代えて、6か月分の賃料を払えば即時に解約できる」といった条項に沿って、解約の日が決まります。

確認する点は次のとおりです。

  • 予告の期間(何か月前までの予告か)と、予告の方法(書面か)・送付先
  • 予告に代えて賃料を払うことで、解約の日を早められる定めがあるか
  • 短期で解約したときの違約金や、フリーレントの分の賃料を返す定めがあるか
  • 解約の日と、明け渡す日が同じ日か
  • 原状回復の範囲と、工事を誰が手配するか
  • 敷金の償却(退去のときに返さない分)があるか

退去日と残りの賃料を、書面で確定する

予告は、オーナーに届いた時から効力が生じます(民法第97条第1項)。予告の期間を満たしているかは届いた日で判断するため、受け取った日を記録します。契約で書面による予告を定めている場合に、電話やメールだけで伝えられたときは、書面での提出を求めます。

予告の書面を受け取ったら、受け取った日、解約の日、明け渡す日、その日までに払う賃料と共益費を、オーナーの側からも書面で回答して確定させます。電話だけで受けると、解約の日が1か月ずれるといった行き違いが起きやすくなります。

確認の書面の文例

オーナーから回答する書面は、たとえば次のような内容にします(文例は説明のための例です)。

「貴社より令和○年○月○日付で受領いたしました、○○ビル○階の建物賃貸借契約の解約予告について、下記のとおり確認いたします。解約日:令和○年○月○日。明渡し日:令和○年○月○日(原状回復の工事を終えたうえでの明渡し)。解約日までの賃料・共益費は、契約のとおりお支払いください。原状回復の範囲と工事の日程は、別途ご相談させていただきます。」

回答した書面の写しは、予告の書面と一緒に保管します。後で解約の日や賃料の額をめぐって行き違いが起きたときに、確認の記録になります。

付帯の契約もあわせて確認する

区画の賃貸借とは別に、駐車場、倉庫、袖看板や屋上の看板、アンテナの設置などを、別の契約や覚書で貸している場合があります。区画の解約にあわせて終わる定めか、別に解約の手続きが要るかを確認し、解約の日をそろえます。

看板やアンテナは、撤去の工事と費用の負担も、原状回復の話とあわせて決めておきます。

退去の理由を聞く

退去の理由によって、オーナーが取れる対応が変わります。理由を聞いておくと、残ってもらえる可能性を探れるうえ、次の募集の条件を考える材料にもなります。

退去の理由考えられる対応
人が増えて手狭になった同じビルの広い区画や、上下の階への増床を提案する
人が減って広すぎる区画を分けて一部の継続を提案する、ビルの中の狭い区画への移転を提案する
賃料の負担が重い減額して契約を続けるかを検討する
建物や設備への不満次の募集の前に、直せるところを直す
本社の移転・拠点の統合次の募集の準備に集中する

保証会社・連帯保証人・管理会社に連絡する

家賃保証会社を使っている場合は、保証委託契約で決められた方法で、解約の予告があったことを知らせます。管理会社(PM 会社)がいれば、退去の立会いと原状回復の工事の手配の段取りを相談します。連帯保証人がいる場合も、退去の予定を知らせておくと、退去の後の精算の話がしやすくなります。

予告の期間に関わる法律の決まり

解約の予告の期間は、契約の定めのほか、契約の種類によっても変わります。とくに、法定更新で期間の定めがなくなった契約や、定期借家契約では、決まりが異なります。

契約の状態借りる側から解約するときオーナーから解約するとき
期間の定めがあり、中途解約の条項がある条項に定めた予告の期間で解約できる条項があっても、申入れから6か月を経過するまでは終わらず、正当の事由が要る(借地借家法第27条・第28条・第30条)
期間の定めがあり、中途解約の条項がない原則として、期間の満了まで解約できない原則として、期間の満了まで解約できない
法定更新で、期間の定めがなくなった更新の前の契約の予告の定めによる。定めがなければ、申入れの日から3か月で終わる(民法第617条)申入れの日から6か月で終わる。正当の事由が要る(借地借家法第27条・第28条)
定期借家契約中途解約の条項があればその定めによる。なければ、原則として期間の満了まで解約できない期間の途中の解約は、認められるかの見解が分かれる。満了で終わらせるには、期間が1年以上なら終了の通知が要る(借地借家法第38条第6項)

期間の満了で終わらせたいときの通知

期間の定めがある契約を、期間の満了で終わらせたいときは、期間が終わる1年前から6か月前までの間に、更新しない旨を相手に通知します(借地借家法第26条第1項)。この通知がなければ、それまでと同じ条件で更新したものとみなされ、その後は期間の定めのない契約になります(法定更新)。

オーナーの側から更新を拒むには、正当の事由が必要です(借地借家法第28条)。借りる側に不利な特約は無効とされているため(同法第30条)、オーナーの側からは、契約に定めがあっても、6か月より短い予告で解約したり、正当の事由なしに更新を拒んだりすることはできません。

定期借家契約の場合

定期借家契約では、オフィスや店舗の借りる側に、法律上の解約の申入れの権利はありません。途中で解約できるかは、契約の中途解約の条項によります。

期間が1年以上の契約では、オーナーは期間満了の1年前から6か月前までに、終了を通知します。通知をしないと、期間の満了による終了をテナントに主張できません(借地借家法第38条第6項)。詳しくは「定期借家契約とは」で説明しています。

次の募集は、予告の段階で始める

予告から退去までの期間は、次のテナントを探すための時間でもあります。退去してから募集を始めると、退去の後の補修の工事の期間に、募集から契約までの期間が加わり、その間の賃料が入りません。

たとえば月額賃料100万円の区画で、退去の後に引き渡しに向けた補修の工事に1か月、募集を始めてから契約までに4か月かかれば、合わせて5か月で500万円の賃料が入りません。予告の段階で募集を始め、入居中の内見で次の会社が決まれば、退去の後の空室は補修の工事の期間だけになります。

解約予告から次の入居まで、オーナーがやること。6か月前に予告を受け取ったら、退去日と残りの賃料を書面で確定し、理由を聞く。5か月前に、入居できる日を決め、条件を見直して仲介会社へ募集を始める。4〜2か月前に、日時を決めて入居中の区画を見てもらう居ながら内見を行い、原状回復の範囲と見積もりを決める。1か月前に、原状回復の工事を行い、立会いの日を確定する。退去の後は、補修を終えて次のテナントへ引き渡し、敷金を精算する。予告の期間を次の募集に使い、退去の後は補修と引き渡しにあてる。予告の期間と、予告に代えて払う賃料の扱いは契約によって異なる(6か月前の予告を定めたオフィスの例)

入居できる日を決めて、募集資料をつくる

まず、解約の日と、退去の後の補修の期間から、次のテナントが入居できる日を決めます。募集資料には、入居できる日を「◯年◯月◯日以降」と明記し、区画の面積、賃料・共益費・敷金などの条件、設備の一覧、写真と図面をそろえます。

入居中の区画の写真は、そのまま使えないことが多いため、前回の募集のときの写真や図面を探しておきます。

居ながら内見を取り決める

入居中のまま次の候補の会社が区画を見る内見を、居ながら内見と呼びます。居ながら内見で次のテナントが決まれば、退去の後の空室の期間を短くできます。

ただし、入居中の区画に立ち入るには、現在のテナントの協力が欠かせません。契約に内見への協力の定めがあればそれに沿い、なければ、内見の日時、人数、立ち入る範囲、写真を撮ってよいかを、現在のテナントと相談して決めます。内見の日時は、業務の妨げにならないよう、まとめて設定します。

募集の情報では、現在のテナントの名前を非公開にする

退去の前に募集を始めると、現在のテナントが退去することが、仲介会社や検索サイトを通じて外に伝わります。テナントの取引先や従業員への影響を考え、募集の情報にはテナントの名前を掲載せず、区画の情報と入居できる日だけを掲載します。

内見の案内でも、仲介会社に、入居中であることと業務への配慮を伝えておきます。

前の条件のまま募集してよいかを見直す

前回の募集から年数がたっている区画では、周辺の募集条件や、借りる側が求める内装・設備が変わっていることがあります。同じ広さ・築年の区画の賃料と敷金、内装付き(セットアップ)の区画の割合と比べて、条件を見直します。

次のテナントが決まりにくい区画では、賃料を下げる前に、敷金を下げて借りる側の初期費用を抑える方法も比べます。保証会社の日商保の「敷金半額くん(オーナー様向け)」は、入居時に預かる敷金の一部を日商保の保証に置き換える仕組みで、賃料の水準を保ったまま初期費用を下げられます。

下げた敷金の分は、賃料の未払いや原状回復費などを対象に、置き換えた額の範囲で日商保が保証します。利用には日商保の審査が必要で、保証料は入居する会社が負担するのが基本です。条件の比べ方は「オフィスビルの空室対策」で、募集の進め方は「リーシングとは」で説明しています。

居抜きで次のテナントに引き継ぐか

内装や設備を次のテナントにそのまま引き継ぐ(居抜き)と、原状回復の工事の期間と費用を省ける場合があります。引き継ぐには、退去するテナント、次のテナント、オーナーの三者で、造作の所有権、引き継ぐ範囲、次の退去のときの原状回復の扱いを合意する必要があります。造作の扱いは「造作譲渡とは」で説明しています。

募集を任せる

予告の期間に、条件の見直し、募集資料の作成、仲介会社への展開を自社だけで進めるのが難しい場合は、ビルオーナーの立場で募集を担うリーシングマネジメントの会社に任せる方法があります。

保証会社の日商保の「リーシングマネジメント」では、賃料と募集条件の見直しから、仲介会社への展開、入居審査と敷金の保証まで、ひとつの窓口でお引き受けしています。内装を残したまま退去したい場合の、後継の入居企業探しもご相談いただけます。

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原状回復と退去の立会い

原状回復の工事は、借りる側が解約の日までに終えて明け渡す定めの契約が多く見られます。工事の期間を退去の日から逆算し、原状回復の範囲と見積もり、工事の日程、退去の立会いの日を早めに決めます。原状回復の範囲と費用は、契約の定めによって変わるため、契約書と入居のときの記録を先に確認します。

原状回復の範囲を、契約で確認する

民法は、借りる側は、借りた後に生じた損傷を、賃貸借が終わったときに元に戻す義務を負うと定めています。通常の使用による損耗と経年変化、借りる側の責任によらない損傷は除かれます(民法第621条)。

オフィスの賃貸借では、通常の使用による損耗も含めて入居の前の状態に戻す特約を置くことが多く、範囲は契約の定めによって決まります。通常の損耗まで借りる側の負担とするには、負担する範囲が契約書に具体的に書かれているなど、借りる側が明確に合意していることが必要とされています(最高裁判所 平成17年12月16日判決。住宅の賃貸借の事案)。

入居のときの区画の状態がわかる図面や写真、テナントが行った内装の工事の記録をそろえておくと、どこまで戻すかの話し合いが進めやすくなります。

工事の区分と、工事をする会社

オフィスビルでは、工事の会社を誰が決め、誰が費用を負担するかで、A工事・B工事・C工事に分けることがあります。

区分工事の会社を決める側費用の負担主な例
A工事オーナーオーナー建物の構造、共用部、基本の設備
B工事オーナーが指定するテナント空調や防災の設備に関わる工事
C工事テナントテナント間仕切り、家具、電話・ネットワーク

原状回復の工事のうち、空調や防災の設備に関わる部分は、B工事としてオーナーが指定した会社が行う定めの契約もあります。工事区分表を定めているビルでは、その表で区分を確認します。

工事の会社と日程を早めに決めておかないと、解約の日までに工事が終わらず、明渡しと次のテナントへの引き渡しが遅れます。借りる側が工事の費用を支払い、退去の後にオーナーが工事をする取り決めの場合は、その工事の期間も空室の期間に加わります。

退去の立会いで確認すること

退去の日には、オーナーか管理会社が立ち会い、次の点を確認します。

  • 原状回復の工事が、合意した範囲どおりに終わっているか
  • 残った荷物(残置物)がないか。残す場合の所有権の放棄と処分の費用の負担
  • 鍵とセキュリティカードがすべて返されたか
  • 電気・ガス・水道・通信の契約の解約と、精算の日

退去をめぐって起きやすいこと

予告を受けてから退去するまでの間には、予告の撤回や賃料、原状回復の費用をめぐって、相談や行き違いが起きることがあります。よくある場面と、オーナーの考え方を整理します。

予告の期間より前に退去すると言われたら

予告の期間の途中で区画を空けたいと言われても、契約で定めた解約の日までの賃料は、契約どおり支払われるのが原則です。早く退去したいという事情があれば、次のテナントが早く決まった場合に解約の日を早めるといった取り決めを、書面で交わす方法もあります。

解約予告の撤回や、賃料の減額を相談されたら

解約の申入れも、解除の意思表示の撤回を認めない民法第540条第2項と同じく、相手に届いた後は一方的に撤回できないと解されています。撤回するには、オーナーの同意が必要です。

「賃料が下がるなら残りたい」という相談も、実質は撤回の相談です。減額して契約を続ける場合と、予告どおりの退去を受けて次のテナントを探す場合とで、空室の期間とそれぞれの賃料収入を比べ、同じビルのほかの区画の賃料とのつり合いも考えて判断します。

撤回に応じるときは、解約の申入れを撤回して契約を続けることと、続ける条件、適用の時期を書面で合意します。次のテナントとの交渉が進んでいる場合は、その状況も踏まえて判断します。

原状回復の見積もりが高いと言われたら

原状回復の費用をめぐる相談は、退去のときにもっとも起きやすいものの一つです。契約で定めた範囲、入居のときの状態の記録、工事の見積もりの内訳を示し、どの工事がどの定めにもとづくかを説明します。

範囲や単価に食い違いがあれば、工事の項目ごとに話し合います。工事を始める前に見積もりを示して合意しておくと、退去の当日に話がこじれることを避けやすくなります。

解約の日を過ぎても明け渡されないとき

解約の日を過ぎても区画が明け渡されない場合、オーナーが鍵を替えたり荷物を運び出したりすることはできません。法律の手続きによらない実力による明渡しは、損害賠償を求められるおそれがあるためです。

解約の日の翌日から明け渡されるまでの期間は、賃料に相当する額の損害金を請求できます。契約に賃料の倍額などの損害金の定めがあれば、その定めに沿って請求します。

まずは明渡しの日を書面で求め、話し合いで解決しなければ、明渡しを求める訴訟などの手続きに進みます。明渡しまでの手順は「テナントの家賃滞納への対応」で説明しています。

敷金の精算

敷金は、賃貸借が終わり、区画が明け渡された後に返します(民法第622条の2第1項)。明け渡しが先で、敷金の返還が後です。

返す額は、預かった敷金から、未払いの賃料、原状回復の費用のうちテナントが負担するもの、契約で定めた償却の分などを差し引いた残りです。差し引く項目と額を書いた精算書をつくり、根拠になる見積書や請求書を添えて、テナントに渡します。

原状回復の費用が敷金を上回る場合は、足りない分の支払い方法も精算書にあわせて示します。入居のときに、保証会社の日商保の「敷金半額くん(オーナー様向け)」で敷金の一部を保証に置き換えている場合は、預かった敷金で足りない原状回復費や未払いの賃料などを、保証に置き換えた敷金の額の範囲で日商保が保証します。

よくある質問

解約予告を受けたビルオーナーの方から、よくいただく質問にお答えします。

オフィスの解約予告は、何か月前が一般的ですか?

オフィスの賃貸借契約では、6か月前までの予告を定めることが多く見られます。実際の期間は契約によって異なるため、契約書の中途解約の条項を確認します。

届いた解約予告は、撤回してもらえますか?

撤回にはオーナーの同意が必要と解されています。応じる場合は、契約を続けることと、続ける条件を書面で合意します。

予告の期間中の賃料はどうなりますか?

解約の日までの賃料と共益費は、契約どおり支払われるのが原則です。予告に代えて賃料を払うことで解約の日を早められる定めがある場合は、その定めに沿って精算します。

退去の前に、次の候補の会社に内見してもらえますか?

現在のテナントの協力があれば、居ながら内見ができます。契約に内見への協力の定めがあればそれに沿い、なければ、日時、人数、立ち入る範囲を相談して決めます。

法定更新で期間の定めがなくなった契約では、解約予告の期間はどうなりますか?

法定更新は、それまでと同じ条件で更新したものとみなされるため(借地借家法第26条第1項)、契約の予告の期間の定め(6か月前など)がそのまま適用されると考えられています。定めがない場合に限り、借りる側からの解約の申入れは、申入れの日から3か月で終わります(民法第617条)。

原状回復の範囲は、どう決まりますか?

民法は通常の使用による損耗を除いて元に戻すと定めていますが、オフィスの賃貸借では通常の損耗も含めて戻す特約を置くことが多く、範囲は契約書に書かれた定めで決まります。通常の損耗まで借りる側の負担とするには、範囲が契約書に具体的に書かれているなど、明確な合意が要るとした判例(住宅の賃貸借の事案)があるため、入居のときの図面や写真とあわせて確認します。

敷金はいつ返しますか?

区画が明け渡された後に、未払いの賃料や原状回復の費用などを差し引いた残りを返します(民法第622条の2第1項)。差し引く項目と額を書いた精算書を渡します。

駐車場や看板の契約も、一緒に終わりますか?

区画の賃貸借とは別の契約や覚書で貸している場合は、別に解約の手続きが要ることがあります。区画の解約にあわせて終わる定めがあるかを確認し、解約の日と撤去の工事の段取りをそろえます。

次のテナントが決まりにくい区画では、賃料を下げるしかありませんか?

賃料を下げる前に、敷金を下げて借りる側の初期費用を抑える方法があります。保証会社の日商保の「敷金半額くん(オーナー様向け)」は、入居時の敷金の一部を日商保の保証に置き換え、下げた分を置き換えた額の範囲で日商保が保証する仕組みです。利用には日商保の審査が必要です。

次の募集はいつから始めればよいですか?

予告を受け取ったら、退去を待たずに始めます。入居できる日を決めて募集資料をつくり、居ながら内見を取り決めておくと、退去の後の空室の期間を短くできます。保証会社の日商保の「リーシングマネジメント」では、条件の見直しから仲介会社への展開まで、ビルオーナーの立場でお引き受けしています。

まとめ

  • 解約予告が届いたら、契約の中途解約の条項で、予告の期間と解約の日を確認する
  • 予告は届いた時から効力が生じるため、受け取った日を記録する
  • 退去日と残りの賃料は、オーナーの側からも書面で回答して確定させる
  • 退去の理由を聞き、増床や区画の移動、次の募集の条件の材料にする
  • 駐車場・倉庫・看板などの付帯の契約も、解約の日と撤去の段取りをそろえる
  • 法定更新の後の契約でも、借りる側の解約は契約の予告の期間で判断する
  • 次の募集は予告の段階で始め、入居できる日を決めて募集資料をつくる
  • 居ながら内見は、現在のテナントと日時と範囲を決めて行う
  • 次のテナントが決まりにくい区画は、賃料を下げる前に、日商保の「敷金半額くん」で敷金を下げる方法も比べる
  • 原状回復の範囲は、契約の定めと入居のときの記録で確認する
  • 原状回復の工事の会社と日程は、解約の日までに終わるよう早めに決める
  • 解約予告の撤回に応じるかはオーナーが判断し、応じるときは続ける条件を書面で合意する
  • 解約の日を過ぎても明け渡されないときも、鍵の交換などの実力による明渡しはしない
  • 敷金は明け渡しの後に、差し引く項目を書いた精算書とあわせて返す
  • 保証会社の日商保の「リーシングマネジメント」は、条件の見直しから仲介会社への展開、入居審査と敷金の保証まで、ビルオーナーの立場で次の募集を担う

出典:民法第97条・第540条・第617条・第618条・第621条・第622条の2、借地借家法第26条・第27条・第28条・第30条・第38条、最高裁判所 平成17年12月16日判決。

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