手形割引とは、取引先から受け取った約束手形を、支払期日(満期)の前に銀行などに裏書して譲り渡し、割引料を差し引いた額を受け取ることです。期日を待たずに現金にできる一方、手形が支払われなかったときは、割り引いた会社が代わりに支払う責任を負います。
紙の手形・小切手は、2027年3月31日で、全国銀行協会が運営する電子交換所での交換が廃止されます。この記事では、手形法と貸金業法、会計基準をもとに、手形割引の仕組み、割引料の計算、不渡りのときの責任、仕訳と消費税、ファクタリングとの違いを整理します。
手形割引とは、取引先から受け取った約束手形を、支払期日(満期)の前に銀行などに裏書して譲り渡し、割引料を差し引いた額を受け取ることです。期日を待たずに現金にできる一方、手形が支払われなかったときは、割り引いた会社が代わりに支払う責任を負います。
紙の手形・小切手は、2027年3月31日で、全国銀行協会が運営する電子交換所での交換が廃止されます。この記事では、手形法と貸金業法、会計基準をもとに、手形割引の仕組み、割引料の計算、不渡りのときの責任、仕訳と消費税、ファクタリングとの違いを整理します。
約束手形を受け取った会社は、満期まで待って代金を受け取るか、満期の前に裏書して他の人に譲り渡すことができます(手形法第11条第1項、第77条第1項第1号)。手形割引は、この裏書による譲渡を使って、銀行などから満期前に資金を受け取る方法です。
貸金業法は、手形の割引を「貸付け」に含めています(第2条第1項)。業として手形を割り引くには、銀行など他の法律に特別の定めがある者を除き、貸金業の登録が必要です(第3条第1項)。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 振出人 | 手形を発行し、満期に支払う人(取引先) |
| 受取人 | 手形を受け取った人(自社) |
| 裏書 | 手形の裏に署名して、手形を譲り渡すこと |
| 割引料 | 満期までの期間に応じて差し引かれる金額 |

割引料は、手形の金額に割引率を掛け、満期までの日数で日割りにして計算する例があります。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 手形の金額 | 500万円 |
| 満期までの日数 | 90日 |
| 割引率 | 年3% |
| 割引料 | 500万円 × 3% × 90日 ÷ 365日 ≒ 36,986円 |
| 受け取る額 | 約496万3,000円 |
金額と割引率は計算のための例で、実際の割引率や手数料は金融機関との取引条件によります。満期までの日数が長いほど、割引料は大きくなります。
手形法は、裏書人は反対の文言がない限り、手形の支払いを担保すると定めています(第15条第1項、第77条第1項第1号)。満期に支払いがないときは、手形の所持人は、裏書人や振出人などに対して遡求権を行使できます(第43条、第77条第1項第4号)。
手形を割り引いた会社は裏書人なので、取引先が手形を支払わなければ(不渡り)、割り引いた銀行から支払いを求められます。手形割引は、期日前に現金を受け取れても、取引先の支払いの危険は自社に残る方法です。
| 項目 | 手形割引 | ファクタリング |
|---|---|---|
| 元にするもの | 受け取った約束手形 | 売掛金 |
| 法律上の形 | 手形の裏書による譲渡 | 債権の売買(債権譲渡) |
| 支払われないとき | 裏書人として支払う責任を負う | 償還請求権のない契約なら負わない |
| 費用 | 割引料 | 手数料 |
| 2027年4月以降 | 電子交換所での手形の交換は廃止 | 影響しない |
ファクタリングの仕組みは「ファクタリングとは」、売主が買い戻す約束のあるファクタリングの扱いは「違法なファクタリングの見分け方」で説明しています。
受け取った手形を割り引いたときは、会計基準の要件を満たせば、受取手形を帳簿から外し、受け取った額との差額を損益にします(企業会計基準第10号第9項・第11項)。上の例では次のとおりです。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 当座預金 | 4,963,014 | 受取手形 | 5,000,000 |
| 手形売却損 | 36,986 |
割り引いたあとも、不渡りのときに支払う義務(遡求義務)が残ります。金融資産の消滅に伴って新たに生じた負債は、時価で計上します(同基準第13項)。科目の名前は会社によって異なります。
手形の割引料は、消費税では非課税です(消費税法別表第二第3号、消費税法施行令第10条第3項第6号・第7号)。割引料を課税仕入れとして処理しないように注意します。

全国銀行協会は、紙の手形・小切手について、2027年3月31日で電子交換所での交換を廃止するとしています。金融機関によっては、それより前に手形の最終振出期限を設けています。
また、2026年1月1日に施行された取適法(中小受託取引適正化法)の対象の取引では、代金を手形で払うことが禁止されています(第5条第1項第2号)。手形割引で資金を回していた会社は、でんさい(電子記録債権)の割引や、売掛金のファクタリングなど、ほかの方法への切り替えが必要になります。廃止の流れとでんさいの仕組みは「約束手形の廃止はいつ?」で説明しています。
期日前に資金にできるのは、受け取った手形や売掛金だけではありません。オフィスや店舗を借りている会社は、貸主に敷金を預けています。当社の「敷金返還くん」は、預けている敷金の半額から最大全額を、入居したまま現金で取り戻せるサービスです。返す敷金の代わりに当社が貸主に保証を提供するため、借入れではなく、返済や利息はありません。利用には当社の審査と貸主の承諾が必要で、当社への保証料がかかります。
割り引いた会社は裏書人として、銀行から支払いを求められます(手形法第15条第1項・第43条、第77条第1項)。請求されるのは、割り引いたときに受け取った額ではなく、手形の金額と、満期以後の利息や費用です(第48条)。
貸金業法では、手形の割引は「貸付け」に含まれます(第2条第1項)。会計では、要件を満たせば、手形を譲り渡したものとして受取手形を帳簿から外します。
全国銀行協会は、2027年4月1日から手形・小切手がまったく使えなくなるわけではないとしています。ただし、電子交換所を通さない決済となり、金融機関の判断で取り扱いが変わる可能性があると説明しています。
出典:手形法第11条・第15条・第43条・第48条・第77条、貸金業法第2条・第3条、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」第9項・第11項・第13項、消費税法施行令第10条、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第5条、全国銀行協会「手形・小切手利用廃止へ」「電子交換所の交換廃止時期の決定および手形・小切手交換廃止時期の明確化について」。
これから移転する方へ敷金0円で移転をまるごと物件探しから契約・移転まで専任の担当者がまとめて対応旧オフィスの原状回復まで移転の相談をする(無料)
物件が決まっている方・入居中の方へ移転時の敷金を半額〜最大0円に新しく借りる物件の敷金を減額入居中も、預けた敷金が戻る設立間もない会社も実績あり保証の相談をする(無料)