管理会社が考える原状回復レポート その1 | 株式会社 日商保  

管理会社が考える原状回復レポート その1

管理会社が考える知っておきたいオフィスビルのあれこれ
~入居工事・原状回復工事:OAフロア編~

近年のオフィスビルの床面は、OAフロアという金属のパネルで数cmから10cm程度底上げされています。この隙間にコンセントの配線や、インターネットのLAN配線を通すことで配線が乱雑になることを防ぎ、足でひっかけたり家具等で踏みつけることを予防しています。(当然見た目もスマートです)

通常OAパネルは4隅の標準脚という足で支えていて、人が歩いたり、机を乗せた程度では何の問題も生じませんが、ハイキャビネットや、複合機、金庫等の重量物を設置した場合には1か所に長期間の重量がかかることになり、OAパネル(標準脚)に相当の負担になります。

入居工事の際の最初のレイアウト図面を拝見すると、テナント企業としては使い勝手がよく、好みのレイアウトを希望しますが、必ずしもビル側の基準と一致しないため家具、重量物の配置についてはたいてい何度も打合せが必要な問題となります。ビルの基準やOAフロアの耐荷重にもよりますが、重量物の下のパネルに補助脚を入れて強度を増したり、金庫や移動書庫といったかなりの重量物に関してはパネルを外し、鉄骨や鉄板を敷き直に支えるといった処置を行います。
キャビネットは主に紙やファイルを収納しますが、ハイキャビネットは満杯になるとかなりの荷重になります。テナント企業からは、そんなにたくさん入れないよとたいてい言われるのですが、長期間の間には相当数の物が入ると思われますのでと説明し、建物の梁の上に予め設置をお願いし、さらにOAパネルに補助脚を追加します。

そこまでやるんですかという声をいただくことも多いのですが、ビル側としてはテナント企業に長く入居してもらうことを想定していますので、長期間、一か所に重量物が設置してあっても安全かどうかという発想で図面を確認します。入居の途中でパネルが陥没することで家具を破損したり、中に敷き詰めてある配線等に不具合が起こってからでは遅いからです。

OAフロアは配線を通すといったことだけではなく、什器や造作壁をOAパネルとビスで止めることで転倒防止策を取ることができます。通常のコンクリート床にはビスを打つことはできませんので大きな地震が起きた時には不安です。このように床がOAフロアになっていることで数々の利点がある反面、什器の配置や補強に規制やコストがかかることを理解いただける説明を心がけています。

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