【スペシャル対談】いちご株式会社 石原実 氏

ベンチャーを支援したいという両社の強い思いが一致していたことも理由の一つだと思います。

目次

ベンチャー支援のための壁を(敷金半額くんを使うことで)乗り越えた

豊岡:
まずはじめに、敷金半額くんを採用いただいた理由を教えてください。

石原:
当社は「日本を世界一豊かに。その未来へ心を尽くす一期一会の『いちご』」という経営理念を
2016年4月に策定しました。企業活動を通じて日本の発展に心を尽くすという理念になります。

この発展とは、経済的に豊かということだけではなく心の豊かさでもあります。
この理念のもと、ベンチャー企業の育成・支援をしていこうという国の施策に沿う形で、
当社が保有するビルをベンチャー企業の皆様に貸していこうと経営陣で話していました。
その中で課題の一つとなっていたのが、敷金でした。

敷金を下げることができれば内装や移転・人件費などに回すことができるという話を
テナント企業からよく聞いていたので、そのニーズに応えることができないかと検討していたところ、
日商保との出会いがありました。

豊岡:
タイミングがぴったり合ったということですね。

石原:
ちょうど『敷金半額くん』が必要なタイミングでした。
『敷金半額くん』を利用する上でいくつかハードルはありました。
ローンや信託の条件等との兼ね合いについて、
一つ一つ保証契約書の内容をすり合わせてもらえたことで壁を乗り越えることができました。
壁を乗り越えることができたのは、ベンチャー企業を支援したいという両社の強い思いが
一致していたことも理由の一つだと思います。

いちごのビルに入ってよかった、入居したすべての人に思ってもらいたい

豊岡:
不動産オーナー側が「貸してあげる」というスタンスではなく、テナント企業が使いやすいと思えるビルにしたいと考えた結果ということでしょうか?

石原:
はい。テナント企業の皆さまには、いちごのビルに入ってよかったと言って頂けるように心がけています。
日頃お会いする機会のある社長や総務の方から「いちごのビルでよかった」と言って頂けることも重要ですが、
入居企業の社員の方全員にそう思って頂きたいですね。
入居頂いた皆さまからのご要望をお聞きし、それに対応していきたいと考えています。
物件の「心築」と呼んでいますが、まさにそれをやっていくということですね。

豊岡:
「心築」・・・心を築くと書かれるんですね。

石原:
既存ビルを購入しバリューアップするビジネスですが、当社はこれを「心築」事業と呼んでいます。
建物を壊すのではなく、建物の価値を活かし、ソフト面・ハード面において、
一つ一つ丁寧に、心をこめた価値向上を図ることであり、
この「心築」を軸としたビジネスモデルを推進しています。

一般的に、資産価値を考えれば、
ベンチャー企業よりもクレジットの高い企業の方が入居者として選ばれがちになります。
ただ、入居するベンチャー企業が成長していくことは、ビルの評判向上、価値向上につながります。
「心築」は、いろいろな角度から物件の価値向上を考えます。

『敷金半額くん』を利用することで、ベンチャー企業が挑戦しやすい環境になるのではと思います。
いろんなデベロッパーが心を開いて『敷金半額くん』が採用されていけばいいと思っています。

豊岡:
業界の中でも「心築」というようなオフィスの中の人たちにまで対応しようという考えは珍しいですが、やはり経営理念からきているのでしょうか?

石原:
はい、その通りです。
もともと、一期一会から仕事を考え、テナント企業に満足してもらえるようにする、
そこに集うお一人お一人の事を考えることが大切だと思っています。

豊岡:
オフィスの中の人たちの満足度を上げることを不動産オーナー側が考えていけば、
直接的にしろ間接的にしろ繋がっていきますよね。

石原:
シリコンバレーのようなITベンチャーの街ができたのは、
そういう考えを持ったビルオーナーがたくさんいたからではないでしょうか。
そういった街を作っていければと考えています。

豊岡:
現在、宮崎市にある大型SCの宮交シティの社長を引き受けられていますが、
地域活性化を考えていらっしゃるのでしょうか?

石原:
我が国最大級のSCであるイオンモール宮崎さんができ、中心市街地の商業はもちろん、
宮交シティSCの売上は大幅に落ちました。
そんな状況で着任したのですが、地域に必要とされる館、地域に貢献する館となることを目指し、
そういうポリシーや活動、売り場づくりが地元の皆さまに「共感される」、そういう活性化に取り組み、
おかげ様でイオンモールさんが開店した頃の売上水準に戻すことができました。
就任後は、毎年、売上の昨年対比100をクリアしています。

豊岡:
それは地元の理解があったからでしょうか?

石原:
そうですね。
地元の皆さまのご理解やご協力を得られるよう、まず我々が地元のことを理解するよう各所に働きかけました。

豊岡:
それはすぐできるものではありませんよね。

石原:
活性化した姿、そういうゴールを決めて、テナント様、協力会社様、マスコミを通じて、
地元の皆さまへ変わる姿勢を見せました。設備投資も積極的にしていきました。

豊岡:
他でお聞きしたことですが、年末年始も宮崎にいらっしゃるんですか?

石原:
はい、商業をやっておりますので当然のことですが、着任以来、
大晦日の締め、元旦の初商はショッピングセンターにいますね。
元旦は、ショップの皆さんと新年行事を行い、気持ちを新たにしてお客様をお迎えします。
イベントに集まったお客様へご挨拶をしたり、ビンゴのプレゼンテーターをやったりしてます。

豊岡:
東京での仕事もしながらは凄いですね。

石原:
自分が役員をしている会社はもちろん、当社の物件は全て行くようにしていますので、日々全国各地を回っています。

豊岡:
宮交シティSCが地元の皆さまに支持され、集客できている理由はなんでしょうか?

石原:
創業40数年ですが、今の親御さんたちは子どもの頃に当館での紙芝居だったり、
歌手のイベントなどを見たりして「楽しかった。」という思い出があるんですよ。
その頃を再現する、そういうイメージに合わせるようにしていきたいと考えました。
そのために多数のイベントを開催しています。

豊岡:
物件単体ではなく、地域の活性化を考える「心築」が軸になっているのですね。

石原:
当社は、物件の所在する地域の自治会や街づくりの団体に積極的に参加しており、
そういう中から、物件の存在価値を考え、地域の活性化に貢献をしようと考えています。

入居者の利便性・利益まで考えられる不動産会社でありたい

豊岡:
最後に、御社は「心築」を軸とした経営を今後どのように展開していかれるのでしょうか?

石原:
入居者の皆様の安全、安心はもちろん、利便性が大事だと思っています。
その方の安全性や利益や収益性やハッピーなど色々あるとは思いますが、
それがストレスなくいちごの物件で実現できることが理想です。
そういったことを考えられる不動産会社でありたいと思っています。

豊岡:
そこまで考えられる不動産会社は珍しいですよね。

石原:
字面だけ見ると同じような会社様はあると思いますが、行きつくまでのプロセスはきっと違うと思います。
「心築」と命名した信条がここにあると思います。

豊岡:
それが御社のブランド力につながりますし、入居者の「入ってよかった」になっていくわけですね。

石原:
お客様の満足度が一番です。
それが企業価値の向上、いちごのブランドにつながると考えています。

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