【スペシャル対談】
株式会社プロジェクトカンパニー 代表取締役社長 土井 悠之介 様
株式会社髙木ビル 代表取締役社長 髙木 秀邦 様

我々にとっても、テナント様にもメリットが高い、双方良しのサービスではないでしょうか。

次世代型出世ビルに入居した理由

Q:この度、プロジェクトカンパニー様は次世代型出世ビルプロジェクトの支援サービスを利用されて
虎の門髙木ビルにご入居されましたが、本プロジェクトの「移転の際にかかる初期費用を削減し、その分を事業に投下して大きく成長してもらおうという」試みに率直にどんな感想をお持ちになりましたか。

土井:
本当に助かるプロジェクトだと思いました。
私たちのようなベンチャー企業は、売上が伸びているとはいえ、現金が手元に豊富にあるわけではありません。
一年分の保証金を出すというと、なかなかキャッシュフロー上では難しい問題がありました。

事業を成長させるためには、良いビルに入居したいと考えていましたが、
今回このプロジェクトに出会えて、希望通りのビルに入居できたと考えています。

Q:今回のプロジェクトで浮いた費用をどのように活用されましたでしょうか?

土井:
直接、事業に投下するという形ではなく、人材採用、インターン生の拡大に使用しました。
移転前は現在の1/5くらいのスペースでしたが、場所が広くなったことからも、人が採用しやすくなりましたね。

【移転前】余分なスペースもなく、これ以上の増員も難しかった
【移転後】ゆったりとしたスペース。社長室とセミナールームが別室に

Q:髙木社長、今回のプロジェクトの概要を簡単にご説明いただけますでしょうか

髙木:
プロジェクトカンパニー様には、次世代型出世ビルプロジェクトの支援サービスをご利用いただきました。
次世代型出世ビルとは、テナント支援企業が集い各種サービス提供し、
入居者のテナント企業様に出世・成長いただくというプロジェクトとなります。

大きな柱としては、入居時の敷金(保証金)を保証契約に切り替えるという点になります。
テナント様は、おおよそ一年分かかる敷金(保証金)を半額でご入居いただけます。

また、加えまして髙木ビル側の支援サービスとしてサイクルオフィスがありますが、
今回第一号案件となりました。

サイクルオフィスとは、ビル側から一部の設備や配線、パーテーションを無償で貸し出すことで、
入居時のイニシャルコストを下げることが出来るというサービスとなります。
その他サービスもご利用いただいていますが、大枠ではこの2つをご利用いただいたという形になりますね。

サイクルオフィスはオーナーが所有する設備をテナントに貸し出すサービス

Q:パーテーションや配線を貸し出すというサイクルオフィスですが、どのようなものなのでしょうか?

髙木:
オフィスの見た目的には全く変わりません。
使われているパーテーションや配線関係、防災設備も含めて、
従来は入居時にテナント様に購入し設置造作ていただくことになっている設備になるのですね。

今回、髙木ビルが所有しているパーテーションや配線関係といった設備を、
テナント様、今回で言えばプロジェクトカンパニー様にお貸しするという形になります。
設備を利用するというと居抜きがイメージされますが、サイクルオフィスは居抜きということではありません。

ある程度可変性のある部分、例えばパーテーションの一枚ずつであったり、配線の電源タップなどが貸し出しの対象となります。こういった設備は、2~3年使っても、使えなくなるというものではありません。

しかし、従来はテナント様にご購入いただいて、退去時にお金を払って撤去処分していただくというサイクルでした。退去時にベーシックな設備をご返却いただき、また次のテナント様にも貸し出してご利用いただこうというサービスとなります。もちろん使えなくなるものや、消耗するものもありますが、資源は有効活用していくべきだと思います。

Q:費用対効果の部分も含めこの取り組みを始めたのはどのような思いがあったのでしょうか?

髙木:
今回のサイクルオフィスは、おおよそ賃料の1ヶ月分に相当する設備負担となりました。
つまり、テナント様にとっては1ヶ月分のメリットがあるわけです。

たとえば、同じ1ヶ月のメリットだとしても、入居交渉で1ヶ月のフリーレントを追加するのであれば、
サイクルオフィスのような形で有益なオフィスの設備を貸し出す方が価値があると考えております。

テナント様にとっては同じ1ヶ月分ではありますが、サイクルオフィスであれば、1ヶ月の設備純増となります。
一方、フリーレントであれば収益は0なので、会計上のメリットもありますね。

また今時点を考えると、1ヶ月分の負担とはなりますが、入居テナント様が退去する際には、
次のテナント様へそのまま貸し出すこともできます。

我々にとっても良く、テナント様にもメリットが高い、双方良しのサービスではないでしょうか。
今後の退去のサイクルの際にも、お金を払ってテナント様に処分いただくのであれば、
無償で引き取らさせていただくことも考えています。

Q:今回プロジェクトカンパニー様は、敷金半額くん、サイクルオフィス、E3の家具を購入と様々なサービスをご利用頂きましたが、他にもこんなサービスがあればいいと思われた点はありますか?

土井:
正直、至れり尽くせりでしたね。
また、提携している信用組合さんもご紹介いただいて、
プロパーで500万円の融資をしていただけることとなりました。

この次世代型出世ビル、虎の門髙木ビルで出世していきたいという思いがあります。
可能であれば、このビルで増床させていただきたいと思っています。

Q:ご移転を決断されたときに、立地も含めビルを選ぶ重要なポイントはどこにあったのでしょうか?

土井:
ビル自体の信頼性があることや、東京や赤坂にお客様が多いことから、その近場であることが挙げられます。

その中で虎の門にしたのは、会計士など士業が多い古くからのビジネス街でありながら、
開発も進み、これからまた賑やかになっていくという土地を気に入ったという点があります。
古きを重んじつつ新しさもある、企業のカルチャーにも合う土地だと思っていますね。

ビルに求めるのは働きたいと思える環境

Q:入居中に快適に仕事を行うためにオフィスにどのような設備やサービスが必要だと思われますか。

土井:
清潔感と重厚感でしょうか。ここで働きたいよねと思える環境が重要ですね。
クライアントも呼びたくなる環境であるか、社員もモチベーション高く仕事ができるかが指標となっています。

その点、虎の門髙木ビルは、エントランスもピカピカで気持ちよく毎日を迎えられています。
清潔感もあり、日々安心してモチベーション高く仕事ができていますね。

Q:女性はとくに細かい点まで気にされますよね。清潔感のある会社なら長く働きやすい環境ですね。

髙木:
確かに、女性の肌感覚は違いますね。
実はこの虎の門髙木ビルの建て直しを行った際も、共用部分は女性社員に意見を聞いて設計を見直ししました。
特にトイレや水回り、鏡の設置位置の調整ですね。ユーザーがどう思うかがすべてだと思います。

Q:その逆に長くいたくないと思うビルの見た目や体制があれば教えてください。

土井:
キラキラすぎる、高級感を出しすぎているのは、ビジネスに合わないのではないかと思います。
数年働くことを考えると厳しいように思いますね。
また、社員に聞きますと、エントランスに入ってきたときの清潔感や共有スペースの汚さが
気になるということでした。

Q:土井社長はそうおっしゃっています。
髙木社長、虎の門髙木ビルのこだわりを教えていただけますでしょうか

髙木:
最近の流行りはガラスのビルになっています。
この虎の門髙木ビルを建て替えするにあたり、敢えて石造りのビルにしました。
百年つづくビルを運営していきたいと考えており、
石は色あせないため月日が経つにつれてより味がでていくと思います。

人は自然のものが、なんだかんだ落ち着くのではないでしょうか。
歴史ある外堀通りに面していますのでその名の通り「堀のイメージ」で石を使いたかったというのもあります。
私なりの虎の門という土地に対する想いでもありますね。

また、外から見たときに出っ張り部分を作ったのが重厚感の秘訣となっています。

実は、出っ張り部分を無くせば、部屋が広くとれます。ただ、それだと外観がのっぺりしてしまいます。
(事務所のスペースを)何平方メートル増やすかよりも、ビルの重厚感や存在感の価値をプラスしていければと
考えました。末永く愛してもらえるビルになったと思います。

虎の門髙木ビル/あえて凸凹を作ることで重厚感のあるビルになっている。
上写真のタイルも髙木社長が一枚一枚選定したというこだわりっぷり。

Q:髙木社長、ビル業界の動向も含めて今後選ばれるビルの条件はどうなっていくとお考えですか

髙木:
虎の門は開発が進み、スクラップアンドビルドが行われています。
大きな開発もあり、このエリアだけでも数万平方メートル(オフィス面積が)増えると言われています。
活気がでる反面、二極化も進んでいくのではと予想しています。

ビルオーナーはテナントがビジネスパートナーであると認識が必要

Q:二極化という中でどのように対応すべきでしょうか

髙木:
ビルのブランディングをどのように作れるかどうかが生命線となっていくと思いますね。
その中で、次世代型出世ビルプロジェクトやサイクルオフィスというプロジェクトを作りました。
テナント様と同じ目線でビジネスパートナーになるべきと舵を切りました。

ビル経営ということでいえば、賃料が収益源となりますが、賃料のことだけを考えていきますと
価値の維持やビル経営に何を求めているかが時にずれてしまうように思います。
中小ビルではハードやスペックだけでは大手さんには対抗できません。
大手さんには難しい、テナント様のニーズをくみ取れる距離感がビル経営には必要ではないでしょうか。

今までビル経営はビルを所有しているだけという形が多かったと思います。
そこから一歩脱却してかなければ、埋もれてしまう。
オーナーとしての想いや価値を発信していかなければ選ばれなくなっていくのではないかと考えています。

今回の移転は、『サイクルオフィス第一号案件』として専門誌でも掲載された。

Q:このプロジェクトでは今までの大家と店子という関係からテナントはビジネスパートナーであり、
相互成長していくことが必要だとおっしゃっていましたがどのような意図があるのでしょうか

髙木:
これはビル経営者としての反省点でもあります。
以前は、借主側と貸主側は会わないほうがいいとも言われたこともありますね。
トラブルが起きたときを考えて、管理会社等を間に入れておいたほうが良いということです。

それもメリットはあるのでしょうが、テナント様との距離がどんどん開いていってしまいます。
ご希望やご不満点、満足感を感じなくなってしまいます。

ユーザーと離れていくというのは通常ビジネスとしては有り得ないはずですが、
賃貸ビジネスでは間に人を入れるべきと言われてきました。

賃貸借契約ではあるけれど、ビルオーナーとテナントはビジネスパートナーであるという意識が必要ですね。
テナント誘致までがビル経営であると考えがちですが、そのあとからが実際のビル経営だと考えています。

Q:土井社長、このプロジェクトは成長企業とビジネスパートナーとして相互成長していくことが
大きな目的なひとつですが、プロジェクトカンパニー様がこのプロジェクトと相互成長できそうなことがあれば教えてください。

土井:
同世代の経営者にも、こんなに至れり尽くせりのプロジェクトがあるんだと、広めていきたいと考えています。
また、成長して出世ビルプロジェクトの一番の出世株といわれるようになりたいとも考えています。

Q:それではプロジェクトを主導する髙木社長、現在プロジェクトに参加されるビルオーナー様を募っているとお聞きしましたが、参加するビルが増えてきたときに成長企業と協調してどのようなことを起こして行こうとお考えですか

髙木:
今、20数棟のビルにご参画いただいているわけですが、
今後さらに増えていくことで移転についてのハードルが下がっていくと考えています。
次世代型出世ビル内でテナント様が移転しあったり、いろいろなエリアやサービスをビル単位で
管理運営を協働するとこも考えています。

たとえば、出世ビルプロジェクトの入居テナント様ならばフリーで使えるコワーキングのようなスペースも良いでしょうね。既存の賃貸借の縛りやビル毎の縛りを超えた新しい使い方を提供できればと考えています。

2021年上場を目指す

Q:最後になりますがプロジェクトカンパニー様の今後の出世の予定をズバリお聞かせください。

土井:
設立当初から、2045年に1兆円企業になるという目標があります。常に目指していきたいと考えています。
短期では、2020年に売上20億、2021年に上場というのをターゲットにしていますね。

設立1年目から、今年、3倍弱まで成長していく予定です。
このまま伸びていき、出世ビルの出世頭になりたいと考えております。

Q:髙木社長、このプロジェクトを世に発信していくことで、
どこへ向かって行こうとしているのかお聞かせください。

髙木:
一言でいえば、「日本を元気にしていく」に尽きます。
経済もそうですし、経営者もそうですし、働く人もですね。
そういった大きな目標を紐解いて、還元したものがこのプロジェクトだと思っています。

(対談後のフリートーク)

髙木:2021年上場というのは素晴らしい目標ですね。

土井:必ずやるという決意があります。

髙木:成長のキー、一番の課題はなんでしょうか。

土井:課題で言いますと、プロジェクト単位で力を発揮するというのはできています。
このまま少しずつ成長していくというのは必ず出来ると考えていますが、
大きな目標を考えたとき、どれだけ一致団結できるかがポイントになっていくと考えています。
今後の価値提供をどうやって考えていくかが課題ですね。

髙木:人材確保についてはどうでしょうか。

土井:これまでは中途中心、インターン中心でやってまいりましたが、来年から新卒を採用していきます。
企業のカラーに合うような組織体制を作っていければと考えています。

採用については、比較的ブランディングが出来てきているため順調です。
東大出身メンバーによる会社ということもあり、後輩が結構来てくれています。
元々の知り合い以外の新卒第一号が居ないので、来年の新卒採用が鍵ですね。

髙木:どのようなビジョンをお持ちでしょうか。

土井:プロジェクト型で仕事する社会を作りたいというのが大元の発想になります。
日本を元気にしていきたいと考えています。一つ一つプロジェクトごとに仕事ができる人間が増えていく。
そんなプロジェクトで活躍する人材が増えていきますと、日本の熱量が上がっていきます。

ひいては、日本が元気になっていくのではと考えています。
色々な人に参加できる機会を作ることで活性化につなげていきたいです。

髙木:活性化といえば地方が課題ですよね。
次世代型出世ビルプロジェクトもいずれは地方へ伝搬していきたいと考えています。

昨今、働き方改革と叫ばれる世の中ですが、プロジェクトカンパニー様の言われるような
プロジェクト型で活躍する場ができますと、日本中に眠っている優秀な人材が
場所を問わず働くことが出来るのではないかと考えています。

都心のオフィスビルで働くという従来の方式が、ITシステムの発展によって地方でも展開していけば、地方創生のキーになるのではないでしょうか。

こういった新しい働き方を民間の我々が、提案できれば面白い世の中になると思います。
ぜひ、プロジェクトカンパニー様に、日本を元気にしていただきたいと願っております!

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