ITベンチャー企業のオフィスが五反田に集まる4つの理由 | 株式会社 日商保  

ITベンチャー企業のオフィスが五反田に集まる4つの理由

東京・五反田といえば、飲み屋や風俗店が多く「繁華街」や「歓楽街」のイメージが強かった街です。
しかし近年の五反田は、ITベンチャー企業や若き起業家たちがオフィスを構える場所として人気の街に。
五反田のイメージが今、大きく変化していることに注目が集まっています。

ここでは、ITベンチャー企業たちがなぜ、オフィスの立地に五反田を選ぶのか。
その理由と、オフィスの立地を選ぶ際に抑えたいポイントも合わせてご紹介していきます。

変化してきた東京IT企業オフィスの立地

東京でIT企業が集まる場所といえば「六本木」や「渋谷」をイメージする人が多いはず。
かつて六本木の木造住宅・アパートが密集するエリアだった土地に2003年「六本木ヒルズ」が誕生し、
IT企業をはじめ外資系金融機関が多く集まりました。

ゴールドマンサックス、バークレイズ、リーマンブラザース、YAHOO、楽天、ライブドアなどの
企業が拠点を置き、毎日のようにイベントやパーティーが開かれ、数十万円の高級スーツに
身を包んだバンカーとミニスカートの美女たちが夜中まで飲み明かす街・・・

そんな六本木ヒルズの洗練さとは対照的に雑多イメージだった当時の渋谷の魅力に引き寄せられ、
IT第2世代の企業、GMOインターネット、ミクシィ、DeNAなどのオフィスが渋谷に集まっていきました。
IT第2世代の代表格、藤田晋氏が率いるサイバーエージェントが本社を構えるマークシティは、
現在ヒカリエと並ぶ渋谷のランドマークにもなっています。

成長途上のベンチャー企業・若手起業家がオフィスを五反田にする理由

現在も錚々たるIT企業がオフィスを構えている六本木や渋谷ですが、
設立して間もないITベンチャー企業や若手起業家にとっては、
賃料の高騰・空きオフィスの不足・通勤利便性の低さなどの問題があり、
オフィスを構える立地としては、条件的な壁が大きくなっています。

そこで彼らが注目したのが五反田です。
2015年頃から続々と成長途上のベンチャー企業が五反田にオフィスを移し、freee、トレタ、ココナラなど、
現在では50社近くのベンチャー・スタートアップ企業が五反田にオフィスを構えています。

五反田が選ばれる理由(1)リーズナブルなオフィス家賃

五反田は渋谷や六本木に比べてオフィス家賃を低く抑えられることが大きな魅力となっています。

実際に賃貸オフィスが検索できる不動産サイトで比べてみても、
五反田のオフィス賃料相場(坪単価)は渋谷に比べて1万円ほど安くなっていて、
渋谷よりもおおよそ3割~5割程度安い家賃でオフィスを借りることができます。

五反田が選ばれる理由(2)アクセス抜群!「職住近隣」を実現

山手線、東急池上線、都営浅草線の3線が走り、アクセスが良い五反田駅。
駅周辺や徒歩圏内には賃貸マンションが多く、家賃も渋谷や六本木ほど高くないため、
従業員が通勤しやすい場所に住めるのが人気の理由です。

また、働くことと生活を一緒にできる「職住近隣」と考えたときに、
住居・食事ともにリーズナブルな五反田が魅力的だと考える経営者も多く、
働く場所としてだけでなく暮らす場所としても便利なことが、選ばれている理由です。

五反田が選ばれる理由(3)個人オーナービルで借りやすい

通常オフィスビルを借りる際は、オフィスオーナーによる入居審査を通過しなくては借りることはできません。
ですが、経営の先行きが読みにくいベンチャー企業が入居審査を通るのは容易なことではありません。
「3件に1件通ればいい方」という声もあるほど、苦労も多いです。

一般的にオフィスビルのオーナーは法人が多いですが、五反田は個人オーナーのオフィスビルも多く、
臨機応変に審査、受け入れしてくれる点が、ベンチャー企業・若手起業家にとってはありがたい。

審査の基準にとらわれず、オーナーが今までやってきたことに
共感してくれてたりして、快く部屋を貸してくれたりする。

そんなオフィスの借りやすさも魅力のひとつとなっています。

五反田が選ばれる理由(4)ベンチャーが集まって切磋琢磨が生まれる場所

ベンチャーは成功するかわからない中で、チャレンジしている人たちの集まり。
そんな人たちが、五反田に集まることで、会社の枠を越えて教えあったり、助け合ったりする場所になっています。

五反田は、ネームバリューの点で渋谷や六本木に負けるのは間違いありませんが、
やや小さめで成長途中のベンチャーがたくさん集まっているので、みんなで盛り上げていこう!と
切磋琢磨しながら、助け合える場所になっているのです。

東京に新たに誕生した起業の街『五反田バレー』

こうして現在、東京でITベンチャーやスタートアップが次々と進出する「起業の街」に変化した五反田。
かつて、米国サンフランシスコのベイエリアに多数の半導体メーカーが集い、
現在までに数々の世界的なIT企業が誕生した『シリコンバレー』に由来し、
『五反田バレー』として企業と区の連携が進んでいます。

2018年7月25日、6社が連携して『五反田バレー』が発足されました。

freeeとココナラ以外に、映像プラットフォーム「セーフィー」、AI型営業支援プラットフォームの「マツリカ」、
飲食店向けの予約管理の「トレタ」、葬儀・僧侶のマッチングサイト「よりそう」と、品川区が連携し、
今後は勉強会などの企業間交流をはじめ、行政や地域社会、大手企業との連携による
イノベーション創出のハブとしての役割を担い、さらには『五反田バレー』をブランディング化し、
”スタートアップといえば五反田”といわれるような街にしていきたい。とマツリカの黒佐英司代表は語っています。

失敗しないオフィス立地を選ぶポイントは?

これまで紹介してきた、ITベンチャー企業や若手起業家の五反田へのオフィス移転の動きから、
オフィス立地を選ぶ際のポイントを整理しました。

(1)アクセスの良さはさまざま面でメリットが大きい

アクセスが良い立地は、取引先にとっても通勤する従業員にとってもメリットが多く、満足度に繋がると言えます。
公共交通機関であれば、駅やバス停から徒歩数分圏内が理想。

特に複数の路線が交わるターミナル駅では、その地域以外の顧客も獲得できます。
どの業種であってもアクセスの良さは立地選びの重要なポイントとなります。

(2)オフィス賃料の採算が合う立地を選ぶ

アクセスが良く地価が高い場所は、オフィスの移転先としては理想と言えますが、その分賃料が高くなります。
いくら一等地にオフィスを移転したいと思っても、採算が取れなければ会社経営が行き詰ってしまいます。
「この料金なら支払える」という限度額の中から候補を選ぶようにしましょう。

賃料の要素は「地価」「広さ」「建物の新しさ」などによって決まります。

どうしても一等地にオフィスを移転したい場合、社員の作業スペースを狭くしたり、
築年数が経っている物件を選んだりして賃料を抑える工夫も大切です。
賃料は毎月の固定費となりますから、収支をよく考えて決めることがポイントです。

(3)企業イメージのあった立地を選ぶ

企業のイメージを左右させる要素の1つとして、オフィスの立地場所はとても重要です。
特にベンチャー企業の場合は、顧客や取引先の信用度を上げるためだったり、
金融機関との取引においても、立地場所が融資に影響する場合があることから、
あえて一等地にオフィスを構えたいという経営者もいます。

しかし、無理は禁物です。

確かに、一等地は企業のイメージアップに繋がることが期待できますが、
それで経営が立いかなくなっては、元も子もありません。
企業イメージにあった街を上手に選んで、周りの環境に刺激されながら、上手に成長していく企業でありたいですね。

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