ビルオーナーが教えるビル選び 同じ面積でも広さが違う。表記は2種類ある!? | 株式会社 日商保  

ビルオーナーが教えるビル選び 同じ面積でも広さが違う。表記は2種類ある!?

契約面積って二種類あるの?

みなさまがオフィスを借りるときに契約する「面積」には、
実は、ビルによって表示方法が異なっている場合があるのです。

え!?異なる??
面積の表示方法って統一されてないの??

例えば、一言で「100坪の物件」といってもオフィス面積が違う場合があるんです。

実は二種類ある契約面積

業界用語で言うと、ネット面積(契約)、グロス面積(契約)、なんて呼び方をしております。不動産業界ではない一般の方々からすると、なんのこと??といったことでしょうが、不動産業界の中では日常的に使われている言葉です。
では何が違うのかといいますと、

(1)グロス面積とは、
「オフィス部分の面積」に加えて、「トイレ・水回り」部分や、「EVホール」や「廊下」部分の面積を加えた表示方法となります。

対して、(2)ネット面積とは、実質の専有「オフィス部分の面積」のみの面積表示方法となります。よく金融商品等の利回りを示すときにネット=正味・実質といった意味でつかわれますが、そのイメージに近いですね。

つまり、上記のとおり「100坪の物件」といっても、グロス面積表示にて、例えば「トイレ・水回り(5坪)」及び「EVホール(5坪)」部分込みだった場合、実際にオフィス専有空間として使える面積は90坪となります。
ネット面積100坪の物件とでは、(1)と(2)のオフィス専有空間には10坪もの違いが生じます。この点は、図面での検討段階から把握して、実際の執務スペースのニーズに合うかどうか事前にチェックすべき点ですね。

100坪の専有オフィスを想像して実際に内見したら、実はグロス面積表示であり90坪オフィス専有面積だった、ということでは無駄骨になってしましますので、ぜひご注意して確認してください。

では、なぜ(1)グロス面積(2)ネット面積という2種類の面積表示が存在すの?というというご意見が出そうですよね。一般の方々の感覚だと、(2)ネット面積はよくわかるけど、(1)グロス面積表示はなぜされるのか理解にしくいのではないでしょうか。
一つには、そのオフィスビルの設計によって、共用部廊下や水回り・トイレの配置によって変わることがあります。
例えば、EVを降りたら廊下が無くすぐに貸室オフィスとなっており、トイレ水回りはオフィスの奥に配置されているような物件は、トイレ水回りも専用オフィス空間内に配置してあり、共用部と専用部の線引きがしにくいため「グロス面積契約」となるケースなどがあります。

また、他の要因としては、戦略的に貸主オーナーが(1)グロスか(2)ネットを選ぶ場合もあります。これは業界の古くからの慣習というか、多くのビルを統計等の理由で分類する際に、100坪を境に、100坪以上=「Aクラスビル」「大型ビル」、50~99坪=「Bクラス」「中型ビル」、等と分類していること等が起因することがあります。(参考:300坪以上をSクラス等と呼んだりしています)

例えば、先のグロス100坪(ネット90坪)のビルだった場合どのように対外的=客先に情報展開したいでしょうか?
(1)100坪のAクラス大型ビルです!
とするか、
(2)90坪のBクラス中型ビルです!
となるかの違いがあります。

Aクラス>Bクラスという質の評価ではなく「単に大きさをによって分別されている」だけなのですが、なぜか1の表示の方がグレードが高いように受け取られやすくなります。
また、オフィス賃料は周辺相場から「坪単価」が大体想定され「坪単価×広さ」にて算出されるため、なるべく広い面積で情報公開したいという意図があることも否めません。この様に、オーナーが募集条件としてどのように情報展開したいか?によって変わる場合もあります。

オフィス賃貸面積の表示自体は、法令や条例に定められれ決まっているわけではありません。つまりは、(1)グロス面積表示だろうが、(2)ネット面積表示、だろうが構わないのです。
しかし、これでは一般のユーザー(企業担当者様など)は非常に分かりにくく、中には細かく理解しないまま契約に至りトラブルになる可能性もあるため、構造や区画上仕方ないケース以外はなるべく実質面積表示である(2)ネット面積表示が望ましいと考えております。

このように一般の方々にはわかりずらいことがオフィス業界には多々あり、こういった情報格差がオフィス移転を難しくさせてしまっているということに、自ら反省の念を覚えるとともに危機感を感じ、情報化社会においてオフィス業界も変わらなければならないと考えております。
よりユーザー企業と不動産業界との情報格差をなくして、よりオフィス移転がしやすい市場を形成できれば、企業成長・経済成長に大きく貢献できると考えているのです!!

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