管理会社が考える原状回復工事 入居スケジュール編

管理会社が考える知っておきたいオフィスビルのあれこれ
~入居工事・原状回復工事:入居スケジュール編~

何事も最初が肝心なんです

入居が決まり、契約締結が終了したのちには、移転に向けた打ち合わせを複数回行うことになります。スムーズにご入居いただくためには密に連絡を取り合うことが大事ですが、最初の段階できちんと説明が行われていないと、後々「そんなことは聞いていない」と、必ず問題になり、せっかくの入居に最初からしこりを残します。それぞれのビルオーナー、管理会社によって様々な考え方がありますので、決まっている答えはありませんが、我々の管理会社が行っている入居までのプロセス(スケジュール)を一つの参考にしていただければと思います。

まず、初回の打ち合わせ時には入居企業のご担当者に、入居工事、入居後に必要なことに関わる業者の紹介を行います。具体的には、内装工事、電気工事、空調工事、看板工事、ビル警備、清掃、引越し等々です。一気に紹介されても誰が誰だか分かりませんが、初回はあくまで挨拶なので、我々が入居まで、そして入居後もサポートしていきますという姿勢を見せることが肝心なのだと考えています。

打ち合わせ後の移転の流れ

初回打合せの後は、個別に業者が実際に行う業務の内容説明に入ります。引っ越し業者は現在入居中のオフィス内の持っていく荷物の物量を現調し、見積もりを作成します。警備会社は別途契約が必要な場合は契約書の中身や、どのような警備が行われているかの説明を行い、実際に現地で警備システムの取扱説明を行います。清掃業者は清掃業務の中身を説明し、テナント企業からの要望を聞き、最適な清掃時間等を決めていきます。看板業者は入居企業からの希望するデザインをもとに、そのビルの雰囲気や他の看板との調和を考え、エントランスや各フロアの案内看板の作成を行います。
そして何と言っても一番時間を要するのは内装工事になります。レイアウトが決定し、見積もりを作成するのに10日から2週間、すぐに発注をしても品物の調達や人員の調整に約3週間、工事に着手して約1ヶ月から1ヶ月半。(内容によって前後します)つまり、スムーズに進んでもレイアウト決定から完成まで9〜12週(約2.5ヶ月~3ヶ月)はかかる計算です。

中にはすべてが2週間位で終わると思っている入居企業もいらっしゃいますので、工事の内容や扱う資材、繁忙期か否かといったことで、かかる時間が違うことの説明が必要です。そのため、打ち合わせに入る前に移転日(ゴール)を確定してもらうようにしています。そうすることで逆算して考え、いつまでにレイアウトの決定が必要か、工事の発注が必要かという目安を明確にします。

我々が管理するオフィスビルはオーナーの考え方から、原則B工事に該当する作業は指定業者にて行っています。(指定業者はまた別の機会にご説明します)そうすることで、入居工事も入居後もきめ細かい対応が取れるからです。
繰り返しになりますが、入居後も長いおつきあいをしていく入居企業に、全力でサポートしますという姿勢を最初の段階で示すことが、入居後の円滑な関係構築に必要不可欠なのは、経験上間違いありません。

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