ビルオーナーが教えるビル選び 階段の重要性ご存知ですか?

さて、オフィスビルには階段があります。それは当然でしょ!というお声が聞こえてきそうですが、では、オフィスビルにおいて階段はどの様な意味があるでしょうか?というと、もちろん階段は「昇り降りするもの」ということなのですが、オフィスビルにおいては「非常階段」つまり災害時等の「避難経路」としての存在意味合いが大きいのです。

災害経路としての階段は2種類

みなさまは「二方向避難」という言葉をご存知でしょうか?
正確には法令に基づいた細かい定義・規定がありますが、ここではざっくりとお話させていただきますと、オフィスビルは災害時の避難経路を確保するために「別々の2方向」に「避難できる」ように造ることが求められています。オフィスビルの現場では「A階段」「B階段」などと表記されていたり、「屋内階段」と「屋外階段」とに分かれて設置されていたりします。ちなみに、階段が1つしかない場合は、バルコニー等に別途避難はしご等を設置し、別々の2方向を確保しています。

少し話がそれますが、ぜひみなさまこの機会に社員全員でご自身のいるビルの「2つの別々の避難経路」を確認されることをおすすめします。オフィスビルにおいて上下階移動は通常エレベーターを利用されるので階段を普段使用されていない方が多いと思いますが、いざというときに避難経路の確保は安否を分けますのでぜひ社内共有されるとよろしいかと思います。非常口マークが目印です。

話を戻しますが、つまり「階段」=「避難経路」なのです!
当然ながらその大事な「避難経路」には避難を阻害するような物や荷物等は置くことは禁止されております。
しかしながら、以前ニュースになった新宿区の雑居ビル火災のように、避難経路の階段が倉庫のように使われており安全な避難ができず死者を出してしまったという事故もありました。この事故の後、消防法の検査等もより厳しくチェックされるようになり、ビル業界全体としても安全確保の意識が高くなっております。

もし、この様に大事な「避難経路としての階段」にスムーズな避難を阻害する荷物・設備などが置かれているようであれば、そのオフィスビルは災害に対する意識が低いと言わざるを得ません。
万が一のこととは言え、企業にとって災害対策・BCP等はもちろんのこと、社員安全の観点からとても重要なチェックポイントなのです。
みなさま、希望のオフィス移転実現のために、内見時には室内や水回りだけでなく「階段のチェック」も追加することをおすすめいたします!

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