ビルのバリューアップについて 後編 | 株式会社 日商保  

ビルのバリューアップについて 後編

不動産ファンド(複数の投資家から集めた資金を用いて不動産への投資を行いそのリターンを分配する仕組み)が保有しているビルはバリューアップを目指します。バリューアップとは価値向上を意味する言葉でありますが、ビルをより高い価格で売却できる状態にするということが最大の目的です。
ビルをより高い価格で売却するにはどうしたらよいのでしょうか。後編となります。前編では収入を増やす話をさせていただきました。後編ではもちろん、支出を下げるためには・・・となります。

支出を下げる

・ビル管理会社コストを下げる

支出を下げるには管理コストを下げることが一番大きく影響します。
ビル管理コストは大きく2種あります。ビルの総収入の数%を報酬とする“変動設定”、固定で報酬を“固定設定”のやり方があります。ビル管理会社によって報酬や質に差が生じます。要求報酬が高いからといって比例して質が高いとは必ずしも言えません。3~4社程度の相見積もりをして報酬を下げることだけでなく質の部分も勘案して判断することが必要です。報酬を下げて質が下がってしまうと収入の項目で下がってしまうこともあります。
例えば共用部清掃の管理ができていない、リーシング業務ができていない、既存テナントとのリレーションがとれてなく突然解約予告が出てきたり、空調機等ビルオーナー資産の不具合対応が劣悪等のトラブルが考えられます。ビルによってどの項目の質に拘るか、リーシングなのかレポーティングなのか管理なのかそういったこともビルオーナーとして考えることが必要になってきます。

電気料金を下げる

・PPS(新電力事業者)

既存の大手電力会社である一般電気事業者(現在、北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力など)とは別の、特定規模電気事業者(PPS:Power Producer and Supplier)のことでPPSに変更することでコスト削減が可能な場合があります。PPSも数多く会社がありますのでこちらもどういった会社があるか確認することが必要です。一覧が出ているサイトもありますのでそこで確認して3社程度の相見積もりをとって判断することをおすすめします。ビルの規模にもよりますが年間数百万円規模で電気料金削減の成果を上げたケースもあります。

・廃棄物処理費を下げる

入居テナントに飲食店舗がある場合は廃棄物処理費についても検討する余地があります。廃棄物処理業者についても3社程度の相見積もりをとって判断することをお勧めします。

・修繕費を下げる

修繕費についてはビルオーナー指定の工事業者となっていることもありますがこちらも3社程度の相見積もりをとって判断することをお勧めします。適正の場合が多いですが1~2割削減できる場合もあります。

他にも収入を上げる、支出を下げる項目は細かいところ含めて多くあります。
数字だけで判断するのは良くありませんが、数字と質(既存テナントを満足させること)共に良くなるようビルオーナーが常に細かく考えていければビルのバリューアップが進んでいくと思います。

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