銀行融資で知っておきたい専門用語50選

銀行融資の相談や申込みの際、経営者は数多くの専門用語に直面します。特に初めて融資を検討する場合、聞きなれない言葉が多く戸惑うことも少なくありません。この記事では、経営者が銀行融資で遭遇する可能性の高い専門用語50個を厳選し、わかりやすく解説します。融資の検討から実行後まで、時系列に沿って重要な用語を紹介していきましょう。

融資の種類を選ぶ際の専門用語7選

「プロパー融資」
銀行が独自の審査基準で行う、最も一般的な融資形態です。保証協会を使わない通常の融資を指します。
「保証協会付き融資」
信用保証協会が保証人となる公的な融資制度です。プロパー融資より審査のハードルが低く、中小企業でも利用しやすいのが特徴です。
「政府系金融機関の融資」
日本政策金融公庫などの政府系金融機関による融資です。民間銀行より金利が低く設定され、返済期間も長めです。
「地方自治体の制度融資」
都道府県や市区町村が実施する融資制度です。地域の中小企業支援を目的とし、信用保証料の補助などがあります。
「銀行提携ローン」
銀行が信販会社などと提携して提供する融資商品です。審査が比較的早く、小規模な資金需要に対応します。
「財務制限条項付き融資」
財務状況が一定基準を下回った場合に期限の利益を失う条項付きの融資です。比較的大型の融資に設定されます。
「シンジケートローン」
複数の金融機関が協調して行う大型の融資です。資金調達額が大きい場合に利用されます。
これらは銀行融資の基本的な種類を表す用語です。それぞれ特徴が異なるため、自社の状況に合わせて選択することが重要です。

銀行との面談時によく出る用語5選

「資金使途」
借入金の使用目的のことです。運転資金なのか設備資金なのか、具体的な使い道を銀行に説明する必要があります。
「返済財源」
借入金の返済原資となる資金のことです。主に営業利益や減価償却費などが該当し、返済能力を判断する重要な要素となります。
「資金繰り」
事業活動に必要な資金の出入りを管理することです。売上金の入金と仕入代金の支払いなど、日々の現金の流れを表します。
「業歴」
創業してからの経過年数のことです。企業の安定性を判断する基準の一つとして、融資審査で重視されます。
「月商」
1ヶ月間の売上高のことです。企業規模を示す指標として使用され、融資金額の目安となることもあります。
これらは銀行との初回面談で頻繁に使用される用語です。事前に意味を理解しておくことで、スムーズなコミュニケーションが可能になります。

融資相談の準備で見る用語3選

「試算表」
決算期の途中で作成する財務諸表です。直近の業績を確認するため、融資審査で重要視される書類となります。
「担保評価」
不動産などの担保物件の価値を算定することです。融資の可否や融資額を決定する際の重要な判断材料となります。
「信用調査」
企業の財務内容や経営状況、取引実績などを調査することです。融資審査の基礎資料として活用されます。
これらは融資相談の準備段階で必要となる重要な用語です。特に試算表は最新の財務状況を示す資料として、必ず求められる書類となります。

決算書の確認で使われる用語5選

「売上高」
商品やサービスの販売による収入の総額です。企業の事業規模を示す最も基本的な指標として使用されます。
「経常利益」
企業の本業による利益に金融収支を加えた利益です。企業の収益力を判断する重要な指標となります。
「純資産」
企業の資産から負債を差し引いた自己資金のことです。企業の財務基盤の強さを示す指標として重視されます。
「営業利益」
売上から売上原価と販売管理費を引いた利益です。本業での収益力を表す指標として使用されます。
「減価償却費」
建物や機械などの固定資産の価値減少分を費用化したものです。返済財源として考慮される重要な項目です。
これらは決算書を確認する際に最も基本的な用語となります。企業の財務状況を判断する上で重要な指標となっています。

担保や保証人の相談で使う用語4選

「根抵当権」
融資限度額の範囲内で、継続的な取引を担保する権利です。不動産担保融資で一般的に設定されます。
「連帯保証人」
借入企業と同等の返済責任を負う保証人のことです。多くの場合、代表者本人が連帯保証人となります。
「物的担保」
土地や建物などの不動産、有価証券など、実物資産による担保のことです。担保価値に応じて融資額が決定されます。
「無担保無保証」
担保も保証人も必要としない融資形態です。企業の信用力のみで判断される融資方法となります。
これらは担保や保証人に関する基本的な用語です。融資の形態を決める重要な要素となるため、理解が必要です。

銀行の審査基準に関する用語3選

「自己資本比率」
総資産に占める自己資本の割合です。企業の安全性を示す重要な指標として使用されます。
「債務超過」
負債が資産を上回っている状態です。融資審査において大きなマイナス要因となります。
「実質自己資本」
表面上の純資産に加え、含み資産や代表者の私財なども考慮した実質的な自己資本です。
これらは融資審査の際に重視される基本的な指標です。企業の財務健全性を判断する基準として使用されます。

契約前に理解すべき重要用語4選

「金銭消費貸借契約」
融資に関する基本的な契約書です。借入金額、返済方法、金利などの重要な契約条件が記載されます。
「約定返済」
契約で定められた返済のことです。毎月の返済日に指定された金額を支払うことを意味します。
「返済条件」
返済金額、返済期間、金利など、借入金の返済に関する取り決めです。契約時に詳細が決定されます。
「期限の利益」
決められた返済期限まで借入金を使用できる権利のことです。返済が滞ると失われる可能性があります。
これらは融資契約を結ぶ際に必ず確認が必要な基本用語です。契約内容を正しく理解する上で重要となります。

金利について知っておくべき用語3選

「変動金利」
市場金利の変動に応じて借入金利が変わる方式です。一般的に固定金利より金利は低めに設定されます。
「固定金利」
契約期間中、金利が変動しない方式です。返済額が一定となるため、事業計画が立てやすい特徴があります。
「利息」
借入金に対して支払う金銭的な対価のことです。元本に金利を掛けて計算されます。
これらは融資における金利に関する基本的な用語です。金利の種類により返済額が変動するため、慎重な選択が必要です。

返済条件に関する基本用語3選

「元利均等返済」
毎月の返済額が一定となる返済方法です。返済初期は利息の割合が多く、徐々に元本の割合が増えていきます。
「元金均等返済」
毎月の元本返済額が一定となる返済方法です。返済額は徐々に減少していきますが、初期の返済負担が大きくなります。
「据置期間」
元本の返済を一定期間猶予する期間のことです。新規事業の立ち上げ時など、初期の資金繰りを考慮して設定されます。
これらは返済方法を決める際の基本的な用語です。事業の収支計画に合わせて適切な方法を選択することが重要です。

返済スケジュールに関する用語3選

「返済予定表」
借入金の返済予定を月ごとに記載した表です。毎月の返済額や返済後の残高が確認できます。
「返済日」
毎月の返済を行う指定された期日のことです。通常は毎月同じ日に設定され、休日の場合は前営業日となります。
「約定返済額」
契約で定められた1回あたりの返済金額です。元本と利息の合計額として設定されています。
これらは返済管理を行う上で必要となる基本的な用語です。確実な返済を行うために把握が必要となります。

追加融資や借り換えの相談時の用語3選

「借換え」
既存の借入を新しい条件の借入に切り替えることです。金利の低下時や返済条件の見直しの際に検討されます。
「リファイナンス」
借換えと同じ意味で使われる用語です。既存の借入を別の借入に組み替えることを指します。
「追加融資」
既存の借入とは別に新規の借入を行うことです。事業拡大や運転資金の追加需要に対応する際に使用されます。
これらは既存の借入がある場合に検討される融資に関する用語です。経営状況に応じて活用を検討します。

返済が厳しい時に知る用語2選

「条件変更」
返済額や返済期間など、既存の返済条件を見直すことです。資金繰りが厳しい際の対応策として検討されます。
「リスケジュール」
返済計画を見直し、新しい返済スケジュールを設定することです。一時的な業績悪化時などに活用されます。
これらは返済に困難が生じた際に重要となる用語です。早めに銀行に相談することで、適切な対応が可能となります。

銀行担当者との会話で使われる略語5選

「L/O(エルオー)」
ローンオフィサーの略語です。融資担当者のことを指し、企業との融資相談や審査を担当する銀行員を意味します。
「F/S(エフエス)」
フィージビリティスタディの略語です。事業の実現可能性を調査・検討することを指し、新規融資の審査時によく使用されます。
「P/L(ピーエル)」
損益計算書の略語です。企業の収益力を確認する重要な財務諸表として、頻繁に使用される用語です。
「B/S(ビーエス)」
貸借対照表の略語です。企業の財政状態を示す基本的な財務諸表として、日常的に使用される用語です。
「C/F(シーエフ)」
キャッシュフローの略語です。実際の現金の流れを表す指標として、返済能力を判断する際によく使用されます。
これらは銀行員が日常的に使用する代表的な略語です。面談時に突然使用されても理解できるよう、基本的な略語は覚えておくと良いでしょう。

まとめ

銀行融資では数多くの専門用語が使用されますが、本記事で紹介した50の基本用語を理解することで、融資に関する重要な知識が得られます。特に融資の種類や審査基準、契約時の重要事項など、段階に応じて必要な用語をしっかりと押さえておくことが大切です。不明な用語が出てきた場合は、担当者に確認することをお勧めします。正確な理解が、円滑な融資取引につながるはずです。

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