VBの資金繰り計画について その1 | 株式会社 日商保  

VBの資金繰り計画について その1

創業段階の資金調達と財務状況

今回、創業段階の会社の資金調達と財務について書いてみたいと存じます。
私共にオフイス新設借受に際して保証の申込みをいただくスタート・アップやSeed・EarlyステージのVBの創業者の方々のお話を伺う機会の度に気づくことがあります。

提供・商品化する技術やサービス、マーケット参入の切り口や志向する立ち位置、成長・成功の定義や目標は100社あれば100通りであり、一見しただけでは他の会社と同じビジネスモデルに思えても似て非なるものです。そんな中で創業期から資金潤沢で立ち上げ当初から製品・サービスの提供・販売が間もなく順調に開始してというケースもマレです。

そこで重要な点は、事業立ち上げから製品・サービスの提供・販売が軌道に載るまでのリードタイムの間に必要な資金を用意しているかとなります。
創業者の多くは自己資金だけでなく、他人から資金を調達して事業を始めざるを得ません。第三者からの資金提供、VCの出資や金融機関等から資金借受調達できないと、事業の発展に齟齬をきたすことになりかねません。

VBや中小企業向けの融資は大企業向けと比較して金額が小さいため、投融資の審査、投融資後のモニタリングにスケールメリットが働かないようです。金融機関・投資機関から見る融資先の情報(経営・財務対応能力は高いのか低いのか、本気で返済する気があるのか、資金使途の信憑性はあるのか等)を十分に収集し、分析することが出来ず、なかなか投融資には踏み切れないのです。
これは、金融機関、投資機関とVBとの間の情報非対称性の問題ともなります。情報の非対称性は、実績のないVB、スタートアップ企業ではより深刻な問題です。

この解消にはVB側にて将来に向かってのPL・BSの予想・計画値を作成する際に、このリードタイムの資金需要も勘案して余裕のある資金計画を策定提示することが望まれます。冒頭で申し上げたとおり100社あれば100社のビジネスプランがありますが、この部分の計画が杜撰だとの評価をもらうと関係者の理解が得られないことともなります。

作成の際には政策投資銀行などの公的機関、市中銀行、VCと融資・投資の申込をする・打診を受けるなどの機会に融資・投資のポイントについて十分な意見交換を行いましょう。

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