管理会社が考える原状回復工事 養生編 | 株式会社 日商保  

管理会社が考える原状回復工事 養生編

管理会社が考える知っておきたいオフィスビルのあれこれ
~内装工事・原状回復工事:養生編~

入居時の内装工事、退去時の原状回復工事を行う際に、施工業者から見積もりが提出されますが、この中に養生費という記載があります。テナント企業と打ち合わせをするなかで、この養生という項目はなんですか、これは必要なことですかといった質問を受けることが多々あります。
規模にもよりますが、きっちりと養生を行うと数万円から10万円近くかかることもありますので内容を精査する必要がありますが、養生自体はなくてはならない物だという認識を持っていただいたほうがいい項目です。

養生は主にビルの共用部分やエレベーター、室内の窓周り等に行いますが、当然荷物の搬出入が複数回行われ、共用部分に資材を仮置きするケースもあります。
工事自体をビルの指定業者で施工しているならばともかく、テナント企業の業者が行っていた場合はエレベーターや共用部分に傷がついた場合、工事自体がストップしたり損害賠償に発展するケースもありますので、見積もりを確認する際は逆にきっちりと養生が行われているかをチエックすることが望ましいと言えます。

長尺物や重機といった荷物の出し入れが多いエレベーター内部はエレベーターのサイズで制作したベニヤ板等で完全に囲み、その上からプラスチックのベニヤを貼り付けます。 ここまで養生しておけば、資材の落下や台車からの荷崩れ等が発生した場合もある程度までは安全が担保されます。新しいエレベーターで床面が石の場合、重量物の落下で確実に床面の石は割れます。

転ばぬ先の杖と言えますが、管理会社からしても工事の際は荷物の搬出入に最も気を配る(肝を冷やす)と言っても過言はないです。施工業者も限られた工期の中での工事になるので、居室内工事以外の部分に細かく神経を使うのは大変なストレスで、それならば最初から十分なの養生をして工事に望むほうが気持ちが楽になります。

そうは言っても、過剰な養生や、見積もりに計上されているだけといった悪質なケースもないとは言えませんので、見積書を確認する際は項目や面積について説明を受けることをお勧めします。エレベーター1基○○円、エレベーター前エントランス○○平方メートル○○円、など細かく表示されていればベターですが、養生一式○○円などという書き方の見積もりの場合には、どの場所にどのような養生を行うのかを質問したほうがよいでしょう。

まっとうな業者の場合は淀みなく、材質や何のために必要なことか説明があり、そもそも見積もりの段階で細かく記載してありますので、安心できる業者だと見極めることができます。養生は必要なコストであることを認識して、適正な養生で安心できる工事を行うことは管理会社の願いでもあります。

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